ハミについて | 矢作厩舎オフィシャルブログ「よく稼ぎ、よく遊べ!」Powered by Ameba

ハミについて

こんにちは。渋田です。

先週書いた「やり甲斐」の話にコメントを下さった皆様
ありがとうございました。

ひがしさん
モムオさん
アクオさん
めぐさん
コウさん
まどれーぬさん
らいなさん
フラワーさん
みずのさん
たらふくさん
プレジデントに夢を託す男さん
弥生さん
なおたんさん

意外とご好評いただいたので、自分でもビックリしています。
僕の中では「ちょっとしたこぼれ話」のつもりだったんですが(笑)
(馬に)乗ってる話なんて、一般の方々にはわかんないから
皆さんには伝わらないんじゃないかと思っていただけに、意外でした。

馬をまっすぐ走らせるとかふらつかないようにさせると書きましたけど、
そこについてもう少し具体的に書いてみます。

端的にいえば、馬の骨の構造から成り立つ考え方ですね。
馬の骨1本に対して、
縦(タテ)にかかる体重は1t(1000kg)かかっても大丈夫ですが、
横にかかる体重は200kg程度で、骨が粉々になってしまうんです。

負担重量も無関係ではありませんが、
馬を故障させるかさせないかの重要な点は「バランス」なんですよね。
ですので、体重の重い人が乗ることはとくに気になりませんけど、
バランスの悪い乗り方をされると、とても怖いです。

僕は助手としての30年間で、調教の際に大きなケガをしたことが一度もなくて、
それは常に馬に乗るとき“バランス”を意識しているからだと思います。
とはいえ、自分がいくら気をつけていてもケガをしてしまうこともあるわけなので
大きなケガをせずに今までやってこれたのは、ラッキーだっただけなのかもしれませんが(笑)

また、新人の助手に教えるときも
今書いたような「騎乗するときのバランス」について
最初に徹底して話しています。
馬はもちろん、助手にもケガをしてほしくないですから。

もちろん、馬をまっすぐ走らせることを重視しているのは
レース本番で馬が速く走れるようにするためであるのと、
乗り役さん(騎手)にとって乗りやすい馬に仕上げていく意味もあります。



ところで、“ハミ”について
ご存知の方とそうでない方といらっしゃると思うので、
ハミについて簡単に書いてみます。

ハミとは、簡単に説明すると「馬の口に取り付ける金具」です。
実は、馬の口は急所。
つまり、ハミをとるとは
馬の急所を人間が制御することで、馬を自在に操ることですね。
ハミをとることで
人と馬との間に約束関係というか上下関係ができるわけです。
そこで、
馬の苦痛な部分につけているハミを、いかに柔らかくしながらも
気分よく走らせることができるかというのが、
我々助手の誠意でもあるので。

ずっと急所を責められるのを嫌うのは、馬も人間も一緒なはず。
ですから、急所に苦痛を与えず馬を誘導させることが重要なんです。

来日したファロン騎手がハミをかけすぎるのを否定する理由は
「ハミをかけると馬の首が窮屈になってしまう。だからハミを外して首を自由に動かしてあげるほうが、馬も伸び伸びと走れるんだ」とのこと。
これは論理的にも正解で、僕も聞いてて納得の意見ですね。

ハミについて、もっとしっかり書きたかったんですが
簡素な説明ですみません。(汗)



それから、最近嬉しかったことの話も。
ブログに「最近競馬が楽しくなってきた」というコメントがありました。
競馬を"スポーツ"として楽しまれているコメントは、とてもいいですね。
皆さんが日々の生活の中で、余裕をもって
競馬に興味を持って楽しまれているという話は、嬉しいです。
もちろん"ギャンブル"として
競馬でガツンと的中を狙う「勝負師」のことも好きですよ(笑)

僕も(矢作先生ほどの知識や経験はありませんが)競輪や競艇が好きなので
休みの日になるとたまに現地(競輪場、競艇場)まで遊びに行ったりします。

競馬の楽しみ方はいろいろですから、
今週末も皆さんがそれぞれの楽しみ方で競馬を楽しんでくださいね。

(渋田康弘)