こんにちは、弥月です。
最近、伝言ゲームはとても難しいなと感じます。
弥月は今とある建築関係の訴訟をしています。
建築会社による施工不良を理由として損害賠償請求をしているわけです。つまり、原告側の代理人ですね。
施工不良により破損等した箇所を修理したので、その修理費用を請求しています。
数年間やりあって、なんとか建築会社に施工不良があることを認める方向性には持っていけました。
そうなると次に問題となるのは損害です。
建築会社側は修理の細かい費目について色々と反論してきます。
弥月は建築業界について門外漢なので、その反論が妥当なものなのか、単なるいちゃもんなのか全っ然分かりません。
そういうわけで、この事件をうちの事務所に持ってきた建築コンサルの方に色々と話を聞いたわけですが、どうも腑に落ちない部分が多々あります。
そこで、建築コンサルを通じて、実際に修理をした業者に質問をしたのですが、的を射た回答がもらえません。そうなると反論書面も書けません。
迫る書面の締切り!
進まない仕事!
弥月はひたすらに憂鬱になります。
伝言ゲームとは関係ないですが、弥月はもう一つ建築関係の訴訟を抱えており、そちらも依頼者が分かりやすい資料を用意してくれないので、締切りが迫っているのに仕事がほとんど進まないという案件が二つもあるわけです。
全く、憂鬱が進んで仕方ありませんね。可哀想な弥月。
話を戻します。
建築コンサルとはこの件でこれまでも密に連絡に取り合ってきたので、気軽に「あれが分からない、これが分からない」と聞けるのですが、実際に修理をした業者になると直接連絡をしたことがありません。
しかし、どうも建築コンサルを通しても必要な情報を得られないので、背に腹は代えられないと思い、連絡先を伺った上で修理業者に直接コンタクトをとりました。
すると、電話で3分話しただけで、全ての疑問が氷解しました。
多分、建築コンサルは弥月の質問の核を理解していなかったんでしょうね。弥月の質問をそのまま伝えてくれていれば、修理業者もある程度回答しやすかったのだと思いますが、少し手を加えて修理業者に伝えていたっぽいです。
そうすると、回答する方も変な回答になり、その変な回答を更に建築コンサルが手を加えて弥月に渡すので、訳が分からなくなったのだと思います。建築コンサルの方も悪気があったわけでないので、責める気持ちは皆無ですが、1ヶ月間のやりとりが3分で終わるものだったと考えると切なくなります。
おかげで、今週末が締切りだった書面も提出できそうです。
ちなみに、もう一つの建築関係の訴訟はまだ最後の資料が届きません。割と困っています。
伝言ゲームの難しさを感じた事例としてはもう一つあります。
弥月は今、刑事事件を一つ抱えています。
薬物事犯なので、勾留(10日間の身柄拘束)をされた際に接見禁止がつきました。なので、被疑者は弁護人である弥月以外と面会をすることができません。
そこで、「せめて家族ぐらいとは面会させてあげてよ」という申立てを裁判所にしました。格好良い言い方をすると、接見禁止一部解除申立てです。
薬物事犯だし、黙秘してるので、一部解除が認められるかどうかは五分五分かなと思いました。そのため、ご家族の方には、「薬物事犯とは全く関係ないし、たとえ証拠隠滅と思しきことを頼まれても絶対に協力はしません」という内容の陳述書を作成してもらいました。厳密に言えば、作成したのは弥月で、ご家族はその内容を確認して署名押印しただけですが。
まぁ、ここまでしてダメなら仕方ないと思いました。
そして、申立てをした二日後に裁判所から連絡がありました。弥月はその時別件の打合せをしていたので、事務員さんが電話に出たのですが、電話メモに「〇〇様の件で裁判所から連絡があり、接見の職権は発動しないということです。」と書かれていました。
メモの内容はちょっと小難しいので補足説明をすると、接見禁止の一部解除は法律上の制度ではありません。
法律の制度ではないものの、裁判所が特別に職権で認めてくれる処遇になります。
なので、接見の一部解除をしない場合には、職権を発動しないということになるわけです。
つまり、電話メモの内容を分かりやすく言い換えると、接見禁止の一部解除が認められなかったということになります。
弥月は「あーぁ、残念」と思いました。
その数日後、裁判所から決定謄本が届きました。
その内容を見ると、「審査の上、法令の範囲内で、下記の者との接見に限り、これを解除する。その余については職権を発動しない。」と記載されています。なんなら、決定謄本の題名は「接見等禁止一部解除決定」とあります。
弥月は思いました。
「いや、一部解除してくれてるじゃん!!!!!」
急いでご家族に電話して、被疑者と接見できる旨を伝えました。
さて、どうしてこんなことが起きたのか検証をしてみます。
弥月の事務所は民事事件が中心です。刑事事件をやるのは弥月くらいです。そんな弥月にしても、年に3件くらいしかやりません。そうなると、事務員さん達は刑事事件に関する知識があんまりないわけです。
決定謄本の最後には、「その余については職権を発動しない」という文言があるので、おそらく裁判所は事務所に電話連絡をした際、「申立てのあった方以外については職権を発動しません」と言ったのだと思います。
刑事事件に関する素養がほとんどない事務員さんはその部分だけを聞き取り、弥月にあんなメモを残したのではないかと考えました。
以上、二つの事例から思うのは、伝言ゲームって背景知識がないと難しいんだなぁということです。
弥月は何にしても基本的に原作厨なのですが、今クールの「からかい上手の髙木さん」の実写がマジで良すぎます。
原作は漫画全巻持ってるほど好きなのですが、それでも原作を超えるんじゃないかとすら思います。
髙木さん役の月島琉衣さんが将来有望過ぎる。