こんにちは、弥月です。

 

 

今、弥月が担当している訴訟で、書類の偽造が問題になっている案件があります。

 

 

かなり特殊な案件なので、詳細は控えますが、ある書類の成否がポイントになっているわけです。

 

 

この書類が偽造でないとしても、先方の筋は悪いのですが、これが偽造であれば一発で先方は敗訴するでしょう。

 

 

訴訟のスタート段階から先方の雲行きはかなり怪しいものでした。

 

 

普通、訴状を提起する段階で証拠も一緒に提出するものなのですが、先方は訴状を提出し、その訴状の中で証拠を引用しているにもかかわらず、証拠を提出しなかったのです。

 

 

その時点で少し違和感。主張する法的構成もおかしなものなので、弥月はハテナが沢山浮かびます。

 

 

とりあえず、弥月は先方が証拠を提出していないことを論難しつつ、全体的な反論も書いた答弁書を提出しました。

 

 

その後、先方は証拠を提出してきました。

 

 

そこで弥月は依頼者との打合せの中で、先方が提出してきた証拠を見せながら、「この書面に署名押印した記憶あります?」と聞くと、「似たような書面に書いた記憶はあるけど、こんな書面には書いてない」と言いました。

 

 

おっと。

 

 

依頼者は色々な書面に署名押印をさせられたとは言っていたので、記憶に残っていないだけかなと思ったのですが、理由までつけて、「この書面にはサインはしない」と言い切りました。

 

 

弁護士を6年半やっていて、偽造の疑いが出て来るのは初めてです。

 

 

過去に、故意か過失か分からないですが二重計上をして、こちらの依頼者に本来するべき請求の2倍の額の請求をしてきた案件はありますが。これは依頼者が本来分についての弁済をしていたので、先方が提出してきた証拠から二重請求であることを読み解いた上でそれを指摘して勝訴したことはあります。

 

 

この二重計上の案件は原本を確認しても判別はつきませんが、記載内容を紐解いていくと二重計上が明らかになるというタイプでした。他方で、今回の場合は内容を紐解いてもなんともなりませんが、原本確認である程度カタがつくタイプです。

 

 

先方の持ってきた原本にこちらの代表者の署名押印があれば、おそらく偽造ではない可能性が高くなります。仮に署名押印があったとしても、上手くやれば変造する余地があるのですが。

 

 

まぁ、まずは原本を確認するところから始めないといけません。

 

 

「ちょっとこれ、原本確認したいんで、次回期日に原本確認させてください」と言ったところ、当然ながら裁判所は了解をしてくれました。

 

 

コロナ禍以降、裁判はネットで行われることが多いです。そのため、証拠の原本確認をせずに証拠の写しのみを踏まえて訴訟が終了することも多々あります。

 

 

証拠偽造の話はちょいちょい聞くにしても、まさか自分がそういうのに遭遇することになるとは。「まぁ、なんだかんだ言って原本は普通に提出されるんだろうなぁ」と思いながら、裁判所へ行きました。

 

 

こちらの依頼者が明らかに署名していたら、変造を見抜けるだろうかとドキドキしながら部屋で待ちます。

 

 

しかし裁判が始まると、先方代理人が「すみません、ちょっと今日は提出できないです」と言い始めました。

 

 

若干危惧はしていましたが、まさか本当にそんな展開になるなんて……。

 

 

理由を聞くと、先方の担当者は先方代理人に原本を確認すると言いながら、なしのつぶて状態とのこと。

 

 

弥月も裁判官も笑うしかありません。

 

 

いや、これもう偽造してるでしょ。

 

 

口には出しませんが、強く思いました。

 

 

しかも、先方代理人は原本を提示せず写しのまま審理を続けて欲しいと言う始末。お願いするスタンスならまだしも、それでも全然問題ないような感じで話してきます。

 

 

弥月はおいおいおいおいと思いました。

 

 

裁判官も「この事案では原本確認が必須なので、次回までは待ちますが、次回出てこなければ、それを前提に尋問の上、判決を書きます」と言いました。

 

 

良かった。

 

 

先方代理人は、原本確認をせずに訴訟を進めようとしましたが、もしかしたら先方の代表者から原本確認なしで訴訟を続けるように強く言われたのかもしれません。

 

 

先方代理人も「もしかしたら、原本は存在しないのではないか」と薄々思っているはずです。

 

 

いや、薄々どころか、弥月や裁判所以上に思っているのかもしれません。

 

 

こういうとき一番可哀想なのは、先方代理人なんですよね。

 

 

先方代理人が偽造したわけではないですし、当然原本は存在すると思って訴訟をしているわけです。しかし、突然依頼者から梯子を外され、弥月や裁判所からも圧力をかけられることになりますし。

 

 

そういうわけで、裁判所内では可哀想だなぁと思っていたのですが、事務所に帰っている途中で、「そもそも原本確認や詳しい事情を聴取せずに提訴に踏み切った代理人にも責任はあるので、自業自得でもあるな」と思ったわけです。

 

 

しかし、こういうことは往々にしてあるのかもしれません。

 

 

弥月もより一層気を付けなければならないと気を引き締めました。

 

 

こんなブログを書いておいて、次回期日に先方からバーンと原本が提示されたらウケるな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日から、新しい月9が始まります。

主人公は森七菜さんです。

事務所移籍問題で一瞬干されましたが、戻って来て良かったと思います。

この前、ドレミファドンを見ていたら、以前よりも更に可愛くなっていてびっくりしました。

ちなみに、弥月は2018年から注目していたので、かなり先見の明があったと思います。