本日も間違い探しからスタートですよ。

 

以下の文の中に、誤った箇所を見つけれますですかねみなさま。

 

ぼくみつけれない。

 

Elle s'est cassé la jambe.
(彼女は足を骨折しました)

 

例文は、口が覚えるフランス語 より

 

 

 

 

今日も複合過去の絡んだ過去分詞の性数一致のお話でございますよ。

 

être型複合過去のおさらい

フランス語の過去時制は、基本的に複合過去を使います。

 

複合過去は「助動詞+過去分詞」で構成され、助動詞は「êtreavoir」が用いられます。

 

NHK出版 これならわかるフランス語文法
複合過去形 より

助動詞は、大多数の動詞ではavoir、主語の移動を表す動詞など一部のものではêtreを使います。

 

「何か主語が移動してそうだな」と感じたら、être

 

それ以外の動作はavoir

 

まずはそう考えるのがよいでしょう。

 

複合過去における過去分詞の性数一致のおさらい

複合過去にはêtre型とavoir型の2つがあると解説しましたが、être型の場合、過去分詞は関連付けられている主語と性数一致が起こります。

 

NHK出版 これならわかるフランス語文法
複合過去形 より

助動詞がêtreの場合、過去分詞は主語と性・数が一致します

 

例えば動詞がvenirの場合、

 

Il est venu.(男性)
Elle est venue.(女性)
Ils sont nenues.(複数)

 

このように性数一致が起こるわけですね。

 

以上を踏まえまして。

本日の例文を見てみましょう。

 

Elle s'est cassé la jambe.
(彼女は足を骨折しました)

 

être型の複合過去なので、過去分詞に性数一致が必要です。

 

主語は「彼女」なので女性です。

 

しかし過去分詞はcasséと男性形のままです。

 

つまり、女性形のcasséeにしてあげる必要があるわけですね。

 

さっそく例文を正しい形に直してみましょう。

 

Elle s'est cassé la jambe.

Elle s'est cassée la jambe.

 

ウェーイ!!。

 

と、ウェーイしたみなさま。

おめでとうございます。ほぼ不正解です。

 

ほぼっつーか、不正解です。

 

本日のキーワードは、「代名動詞」「再帰代名詞」です。

 

NHK出版 これならわかるフランス語文法
直説法 複合過去 より

代名動詞はすべてêtreが助動詞です。再帰代名詞が直接目的語である場合、過去分詞はそれと性・数一致します

 

代名動詞とは?

再帰代名詞を伴った動詞を代名動詞と言います。

 

再帰代名詞とは?

主語と同一のものを指す代名詞で、とりあえずは「自分を、自分に」という意味だと考えられます

 

つまり、代名動詞(再帰動詞)とは、動詞の作用が自身に返ってくる「再帰的な動詞」ということです。

 

構文的には、「s'est」のように、動詞の前に再帰代名詞が置かれます。

 

そして本日の例文も、再帰代名詞を用いた代名動詞だったのです。

 

代名動詞と再帰代名詞と直接目的語の関係

代名動詞の性数一致ルールをもう一度確認してみましょう。

 

NHK出版 これならわかるフランス語文法
直説法 複合過去 より

代名動詞はすべてêtreが助動詞です。再帰代名詞が直接目的語である場合、過去分詞はそれと性・数一致します

 

再帰代名詞が直接目的語である場合に、過去分詞は性数一致します。

 

逆に言うと、直接目的語ではない場合、過去分詞に性数一致は起こりません。

 

どうですかみなさま。

 

だんだん答えが見えてきましたでしょうか。

 

以上を踏まえまして(再)。

本日の例文を見てみましょう。

 

Elle s'est cassé la jambe.
(彼女は足を骨折しました)

 

主語は「彼女」です。

 

じゃあ直接目的語は何でしょうか。

 

彼女でしょうか?

 

違いますね。

 

彼女が、彼女を折ったわけではありません。

 

彼女が折ったのは、彼女の足です。

 

要素を整理すると以下のようになります。

 

主語:彼女
再帰代名詞:彼女
直接目的語:足

 

代名動詞の性数一致をしぶとくもう一度確認してみましょう。

 

NHK出版 これならわかるフランス語文法
直説法 複合過去 より

代名動詞はすべてêtreが助動詞です。再帰代名詞が直接目的語である場合、過去分詞はそれと性・数一致します

 

再帰代名詞と直接目的語が同じ場合にのみ性数一致が起こります。

 

しかしながら、「再帰代名詞:彼女 = 直接目的語:足」は成立していません。

 

つまり、代名動詞の性数一致ルールは発動しないということです。

 

以上を踏まえまして、本日の例文を正しい形に直してみましょう。

 

Elle s'est cassé la jambe.

Elle s'est cassé la jambe.

 

なんてこった!

 

間違い探しに、間違いなんてなかったんだ!

 

最初から間違いなんてなかったんだ!

 

野沢菜なんてなかったんだ!

 

と、いうわけで。

間違い探しの答えが、まさかの「間違いなんてねぇよ」という衝撃の結末だったわけなのですがみなさま今どんな気持ちですか。

 

まあ、冒頭の問いかけも「誤った箇所を見つけれますか」のYES/NOクイズなわけで、無きゃ無いでいいわけで、間違いは必ずあるとは限らないわけで、な殴らないでください!

 

僕が言いたかったのは、4つ用意されたお焼きの中身が、必ずしも「あんこ2個&野沢菜2個」であるとは限らないということです。

 

世の中はそんな風に回っていて思うようにままならないことも多々ありますが以上、代名動詞が再帰代名詞で複合過去の性数一致は直接目的語で野沢菜!でした。

 


●本日の参考図書達

 

いちばんさいしょに、よみますか?

 

 

野沢菜なんてなかったんだ!!