desで戸惑うフランス語 | 筋肉で外国語と戯れブログぴー

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脳みそが外国語の筋肉でできています。でも物理的にはヒョロガリです。

 

マジで恋する5秒前

 

みたいなゴロのタイトルですが。

以下の例文のdesが、何のdesだかわかりますですかねみなさま。

Dès le début de septembre, c'est la rentrée des classes.
(9月になると新学期です)

口が覚えるフランス語 より

 

 


不定冠詞複数のdesなんじゃねーの?classesが複数形だし。

と思ったみなさま。

おめでとうございます!

ほぼ不正解です!

ほぼっつーか不正解です!

不正解des!

desなだけに!

わはは。



 

そもそもの疑問はla rentrée

元々、今日の例文で僕が気になっていたのは「la rentrée」の部分でした。

rentréeの意味

新スタンダード仏和辞典 より

 

 

男性名詞:
(元の場所へ)帰ること 帰還

la rentrée des classes
新学年 新学期


なるほどねー。

「授業の日々」が「戻ってくる」から、新学期なのね。

なんかキザな感じがフランス的。

ちなみに、9月は学校だけじゃなくて色んなものが長期休暇からあける月のようです。

マダムLou Messugoのブログ より

 

 

8月は学校や議会、レストラン、企業などが休みになる
公共サービスも必要最小限に留まる
9月はその停止状態から戻ってくる月
学校に通う子供を持つ親にはカオスの月






 

よく見ると不定冠詞複数じゃないdes

la rentréeは名詞で、des classesも名詞とすると、前置詞も何もない状態で名詞が2つ続いていることになります。

そうなってくると、よくよく考えてみれば、不定冠詞複数のdesでは文法的にちょっと「?」です。

つまりは不定冠詞複数ではない、もうひとつのdesなんじゃないかな、と考える必要があるわけです。

NHK出版 これならわかるフランス語文法
定冠詞 より

 

 

男性単数形leと複数形lesが前置詞àと前置詞deに続く場合は、次のように両者が合体して形が変化します
この合体の現象は「冠詞の縮約」と呼ばれることがあります
à + le → au
à + les → aux
de + le → du
de + les → des


la rentréeと les classesdeで繋げていたんですね。

つまりは、


la rentrée de les classes
(あの!授業の日々の帰還!)

といった具合でしょうか。



 

ちなみに、Dès

Dès le début de septembre, c'est la rentrée des classes.

右下がりのチョン(アクサングラーブ)がついてる文頭の「Dès」はまた別物でして。

 

新スタンダード仏和辞典 より

 

 

Dès
前置詞:~からすぐ 


「~になるとすぐに」という意味の前置詞だそうです。



 

以上を踏まえまして

本日の例文を訳してみましょう。

Dès le début de septembre, c'est la rentrée des classes.

(9月になれば、あの!学業の日々が!戻ってきますよ!)

こんな具合でいかがしょうかみなさま。



 

と、いうわけで。

desを不定冠詞複数と解釈したままでも文は理解できますし、意味も大きく変わらないのでスルーするところでした。

しかしながら、意味が大きく変わらないなら、ここまで考える必要あったんか?といまさらながら思ってしまいます。

今日のテーマもいつか役に立つ日が来るんですかねぇ。なんて。

この積み重ねが、滲み出る知性の源にでもなってくれればいいのですが。

そんな未来のフランス語に夢と知謀を詰め込んで以上、不定冠詞複数のdesと、冠詞縮約のdes!でした。

 

 

 

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