日曜日、神戸市長田でのセミナーでした。

今回は子どもたちに種を採ることについて話をしました。

 

 



子どもたちに
「タネはどこで手に入れる?」
と質問すると
「野菜から!!」
「スーパー!!」

次に
「タネはどこから来る?」
と質問すると
「一緒やん!!野菜から!!」
と。

これは子どもたちの感覚は極めて自然に近いものだなぁと感じました。





でもこれを大人の人に、農家の方々、家庭菜園をしている方々に質問すると
「ホームセンター」とか「種屋さん」という答えになりがちです。

これは現在の農業が抱える問題のひとつでしょう。

人はいつしか種を採ることを止めて、「買う」ようになってしまいました。

明治以前は自分たちで種を採り、来年の種を保存していたことを忘れてしまったのです。

この原因はいくつかあると思いますが、品種改良と資本主義が
大きな原因でしょう。

品種改良という名のもとに、交配種が研究開発され、病気に強い品種や、多収が可能な品種が産み出されています。
それを体験してみると、こんないい種ならば種どりをして、来年も植えようとなることが自然の流れです。
だって今まではそうしてきましたからね。

ただ交配種というものは、種どりをしても、翌年同じ野菜が出来るとは限らないわけです。
ざっくり半分の確率では想定したものと違う野菜が育ってしまうわけです。

ここで姿を現してくるのが資本主義です。

現代に生きていると、生活する中でお金が必要になってくるのは必然です。
中には資本と切り離されて生活している人もおられますが、その存在は稀です。

一般的には、お金がないと生活しにくいという現状があり、これは農家も同じ状況です。

となれば、農家は何を考えるか。
野菜を出荷することでお金を獲得しているならば、それを継続、もしくは増幅させていくことを考えます。

その時に大事にするのは確率や見通し。

ですが、交配種から種どりをした種だと、想定した品種が育たない確率が高く、収入面に不透明な要素を組み込んでしまいます。

だから農家は種どりを止めて、種を「買う」ようになったんですね。

種を買うことは悪いことではありません。
これから畑を始めようという人には種はありません。
ホームセンターや種屋さんで買うことになります。
これに関しては仕方のないことですよね。

大切なのはここからで、「種を採る」ことをしてほしいんです。

種を採るにはどうしたらいいか。
そのために一番大切なのは、固定種や在来種といった種を使ってもらうことです。

固定種、在来種は品種改良されていませんので、遺伝子は一定しています。
だからその種を手に入れて、種どりをすることで来年も同じ野菜を育てていくことが出来ます。

この方がよっぽど「安心して、安定した種」が手に入りますし、自分が止めない限り、その連鎖は続いていきます。

「種を手に入れる」ことに関しては、資本主義の連鎖から脱却することが出来るんですね。
しかもその成果物、ここでは野菜ですが、それを資本主義経済の中に投じていけば、お金にすることが出来ます。

そっちの方が効率ということで考えるならばよっぽど安定してくるんじゃないでしょうか。

ホントに安定させるためには、種どりだけでは十分ではありませんが、一助となることは間違いありません。

みなさん、是非種どりをしてください。

長田のまちばたけセミナーでは、街中で畑を耕すので、「エディブルシティ」さながらの風景となっております笑
体験したい人は是非、まちばたけセミナーへお越しください。





畑とHIPHOP
峯山 耕平