※この記録は自分がこの日のことを忘れないようにという思いと、私の経験が誰かの役に立つかもしれないという思いで書いております。



「産まれたよ」


と、LINEで連絡しました。

そしてすぐ電話もしました。


夫は泣いてました。


私も泣いてました。



分娩台の上、

電話が繋がった状態で、

初めて赤ちゃんに会うことにしました。


助産師さんが赤ちゃんが乗ったトレイを持ってきてくれました。


小さな小さな赤ちゃんの姿が目に入って、

感情が爆発したみたいに、

声を上げて泣きました。



手がある

指が5本ある

爪もついてる

足の指もきれい

足の爪もしっかりついてる

目も、鼻もある、鼻の穴も

口も

耳も!




頭は、

無頭蓋症のため、

やっぱり頭蓋骨はなかったけど

脳は剥き出しではなく、

皮膚があってツルンとしていました。



お腹は、

臍帯ヘルニアのため、

内臓が、薄い臍の緒の膜に包まれた状態でお腹からダイナミックに飛び出していました。



不完全な部分よりも、

発達できた部分に感動して、

怖いとか可哀想とかは思わず、

ただただ「がんばったね、ありがとね」

と言う言葉になって、出てきました。


そっと触れたら、吸い付くようなプルプル潤った肌でした。

手足は指先までしっかりしていました。

可愛すぎて涙が止まりませんでした。



電話越しに、

感動が夫にも伝わったと思います。



もちろん、

死んでしまったことを悲しむ涙でもあるけれど、

生きていた証が輝かしくて、

それに感激する涙でもありました。


最初は、

こんなに小さいんだ!と思いましたが、

ここまで大きくなってくれたんだなぁと思い直して、

この子はがんばったなぁと思いました。

こんなに大きくなってくれたんだ、と。


会えて嬉しかった。


私の子。




私が望むあまりに急いでお腹に来てくれた子。

準備ができていなかったのか、お空に忘れ物をしてきたか。

焦らせてごめんね。

なんて優しい子なの。


ドン底だった私を救い、

幸せと、夫の愛情と、母親としての強さを教えてくれました。

夫婦の絆を強くしてくれました。

私を母親にしてくれました。

夫を父親にしてくれました。

感謝しかありません。


この子の母親になれてよかった。


この子は誇りです。