クランクアップ | 相棒Яの日々精進 (テレビカメラマンも奥が深い…)

クランクアップ

ついに…

「不信のとき」クランクアップ。


自分自身にとっても大事な「第一歩」になった作品。


感慨深い。


スタジオ最終日、最終回の肝となる「泣き」のシーンの撮影。

ある俳優さんが、このシーンで全撮影終了となる。

その俳優さんのメインアングルをЯが撮ることに、


肝のシーンであり、このシーンでオールアップの俳優さんもいる。

それだけで緊張する。


リハーサルを何度も繰り返す、繰り返す度に緊張が高まる。

ようやくリハーサルも終え、打ち合わせ。


台本をチェックすると、カット割りにはサイズ指定がなく、ただ名前だけが書いてある。

8ページもある、とても長いシーンなので、カメラマン同士でサイズ・アングル云々、打ち合わせをした。


シーンあたまからサイズがタイトすぎるとシーン後半の画が活きて来なくなるので、

ややユルめ(ルーズめ)からのスタート。


カメリハで試行錯誤。

どうしても納得がいかないカットが7ページ目にあり…

Hチーフカメラマンに相談。


Я「カメリハでは我慢したんですが、この台詞のカットはどうしてももっとヨリで撮りたいんですが…」



H「そうだなぁ~その後もヨリが続くしねぇ…」



H、Я「……ズームしてみる?」



二人の意見が同時に一致!



やってみるしかない!!


Яのカットの次のカットを撮る後輩O君(通称:砂袋ひゅうまくん)にも、その旨を伝え、

UPサイズで合わせて撮ることに決定。


TBS(タイトバストショット)からUP(アップ)まで、じんわりズーム…

ランスルーでやってみた。


うん! 納得!!これだ!!!


ランスルーの次は本番。

そもそもランスルーとは、本番と同じ芝居、同じ撮り方で行う。

本番と違うのは、VTRが回ってるか、回っていないかの差でしかない。


この番組は、こんなに長いシーンでも、途中で区切ったり、止めたりすることも無く

1回で撮ってしまう。


尚更、NGは許されない。


そして本番…


1ページ2ページ、3ページと撮影は難なく続き…

ついに、7ページ目へ突入。

例のカットを撮る番だ!


Яのカメラをスイッチング(選択)している印の赤ランプが光る。

ズームイン開始。


じんわりズームして、いい感じのUPサイズになってきた…

そろそろズームもストップして、砂袋くんのカメラにバトンタッチしようとしたとき…




「!!!」




Яが撮っていた俳優さんの頬に涙がポロリと…


Яもその涙に反応、更にズームイン!!

気が付いたらC.UP(クローズアップ)までズームイン。

打ち合わせをして決めたサイズより更にタイトに。


Яの画は大成功なのだが、

次のカットが同じサイズでないとバランスがとれない…


当たり前だが、本番中は声を出せないので、

あとは砂袋くんの反応に期待するしかない。


砂袋くんのカメラに赤ランプが光った。

Яのサイズに合わせたC.UPのとてもバランスのとれたサイズだった。


砂袋くんはこの作品がドラマデビュー作、まだ若いカメラマンで、失敗も沢山あった。

だけど、最後の最後に、たいしたファインプレー!!


今まで、声を荒げることも多かったハヤシ監督が、シーン終わりに、

とても、満足したような優しい口調で…

「オッケー!!」と一言。


最高な気分で最高なシーンを撮り終えた。


思わず、本番終了後、砂袋くんの所に行き、握手をした。

砂袋くんも、とってもいい顔をしていた。


だいたい、やっといい感じになってきたなぁと思う頃に、クランクアップ。

ドラマは色々大変だけど、達成感が気持ちいい。

今回は、キャストもスタッフもいい人たちばかりだった。

明日からはそれぞれ違う現場に行ってしまう。

ちょっと寂しい。


また、同じメンバーで仕事がしたいなぁ。