※ twitterより転載

【邦画】『ヌイグルマーZ』
わざとチープに、わざと下手に、わざと破綻させて創ることで、「あえて」を隠れ蓑にして真の実力を悟られないようにする手法、もうやめようよ。井口昇に一定の実力があるのは『電人ザボーガー』などでバレてるんだし、それ以上の実力がないのかもと勘違いされるよ。ゾンビが哲学めいた言葉を喋ったり銃を扱ったりなど、「ツッコミ待ち」が多すぎる。脚本の矛盾点を「ツッコミ待ち」でごまかさないでほしい。それより何より、いくら理由をつけられても、中川翔子と武田梨奈が同一の役ってのは本能で受け入れられない。ところで、平岩紙は老けたなあ。44点


【邦画】『神奈川芸術大学映像学科研究室』
学生の卒業(修了)制作が商業公開されて良かったためしは『イエローキッド』以外には知らないが、本作は「好きな映画は『トイストーリー3』」と言うエンタメ指向の監督ゆえ、客を楽しませようという意思があり、まともに鑑賞できるレベルではある。自らの経験から大学の映像学科を舞台にした「あなたの知らない世界」モノらしいが、勢揃いした人間のクズが折りなすゴタゴタは割と普遍的でどんな世界にも置き換え可能。これだからブラック企業は辞められないんだな。あの程度のラストで溜飲を下げていたら、いつか人生詰むでしょ。60点


【邦画】『御手洗薫の愛と死』
一番の問題は主演2人の演技力の差。家で一人なのに延々と説明台詞を喋り続ける非現実な状態でも吉行和子ならばサマになるが、本業は役者ではない松岡充が「え?」の乱発と話し相手の言葉から単語だけ繰り返す、これまた現実にはありえない会話をしているとツラい。出版業界の内情に現実味がない(編集長は気づけよ)のはともかく、売れない若手新人作家がベテラン作家から最後に受け取ったメッセージが「ちゃんと推敲しろ」ってのは何なの。そんなのその辺で売ってる「小説の書き方」みたいなガイド本にも書いてあるぞ。これで感動しろと言われても。49点


【洋画】『ROOM237』
キューブリック作品中でもいろんな意味で難易度の高い『シャイニング』を5人のオタクたちが分析する非公式ドキュメンタリー。後ろの小道具やら画面に見切れる一瞬を指差してインディアン虐殺やホロコーストの暗喩だとこじつけるあたり、愛すべき馬鹿が揃っている。雲の形がキューブリックの顔だって言い出したり。壁に貼られたポスターに写っているのはミノタウロスだと。キューブリックだし、カットが変わると椅子が消えていたり床の模様が変わっているのは意図的かもと思わされてしまうが。終盤の本再生と逆再生の同時投写も、バカバカしくて圧巻。62点