最近妻が篤姫をNHK Ondemandで見ているので私も横でちょくちょく見ています
第何話かは分からなかったのですが、恐らくクライマックス、遂に篤姫をはじめとした大奥が、江戸城を無血開城するにあたり退去を迫られるシーンです。


退去をする前に、しばらく一人きりになる時間を貰った篤姫の脳裏に、徳川家茂在りし日の日々や、大奥に初めて訪れた際の記憶が蘇り、涙してしまうシーンはとても感動的でした。

そのシーンに思わず僕自身が自分を重ねてしまいました。

大学を卒業し、入社前日に生家を出て会社の寮に入るのですが、
自宅を出てから寮に到着するまでのあの何とも言えない寂寥感がふと蘇りました。

両親に対してとか、兄弟に対してとか、それだけではない。何か。

「ああ、これで社会人になるのか」
自分の人生の前半が終わったのか」
自分の人生には自分で責任を持たないといけないのか」、

そんな自分にとっての大きな大きな区切りを迎えたことを腹の底から実感したからだったと思います。

その後、海外転勤をして、初めて海外のホテル(家が決まるまで暫く住むための)に到着した時には、ノスタルジーや寂寥感は社会人成り立ての頃に比べると感じなくなっていました。
そのホテルで、「あの頃よりも成長したな」と思ったことも、篤姫を見てしみじみと思い出しました。

30歳も過ぎた今、結婚をし、もう何度目かも数えられない引っ越しをした今は、一辺も寂寥感は感じません。
むしろ妻と新たな人生の扉を開けた喜びで包まれていました。

精神面での成熟を誇らしく思うと同時に、少しだけ、本当に少しだけ、切なさを覚えた昨日の晩でした。