音楽は神秘だと 思う。
ピアノを初心から習い始めて3ヶ月。
彼のなかには表現したい世界が
静かに満ち溢れている。
レッスンのクライマックスには、
少しのコードと
少しの見本だけをあたえ、
自分の世界を表現する5分間、
自由に
弾いてもらう。即興弾きだ。
わたしはなにも言わない。
ただ、その空間にいるだけだ。
祈りとともに。
彼はDJになりたいという夢を持つ
大学受験生だ。
1日中、
それこそ朝から晩まで勉強する日々。
週に1度のレッスンは
エネルギーチャージの時間だそうだ。
自分から積極的に語らなく、
静けさが保たれているように見える彼だが、私はすごい力をいつも感じる。
いちばん感じるのは俯瞰力だ。
芸術を
少ない
いのち言葉
自分語で紡ぎ語る。
こちらがビビってしまう洞察力に
学ぶこと以上の すごさを感じる。
そして
その自分力に彼自身こだわっていないように見える。
ただ今知り始めた表現方法を大切にしながら、自分の今持つすべてを
音に捧げ尽くそうとする姿勢。
わたしは
生徒さんからも多くを
学んでいるように思う。
ともに学んでいるように思う。
音楽はレッスンを通して、
多くを見せてくれる。
いつも感じることは、
彼ら、彼女らは
純粋に音だけを見ようとしていること。
そのなかに 私の道具言葉が分け入ることは音楽の願いではないように思う。
学ぶより(教え教わる)
生きるところにあるのかもしれない。
彼らがわたしから本当に
欲しいと願っているものは、
わたしが
そこを生ききっている姿かもしれない。
リハーサルの動画だが、
まだまだだ。
わたしの中には
もっと表現したいものがある。
まだ 出しきれていない。
しかし、
あきらめない。
わたしは諦めたくない。
彼女たちの表現したい想いとともに
私も生きたい。
聴き続けるのだ。