みなさま、お元気ですか。

さいたま市
まえだやえこピアノ教室の   まえだやえこです。

ページを訪ねてくださり、ありがとうございます。

さいたまは雨あがりで
ムシムシしています。

みなさまの地域はいかがですか。


わたしは、
長いこと
腱鞘炎がくすぶっていました。

その上5月末に
階段からおっこちて、
ひどく左手を痛めました。


痛くて眠れなかった1ヶ月。
1ヶ月は弾いちゃいけないと
ドクターストップも出ました。

評判のいい整形外科に通い続けても、
一向によくならない。
車で行き来合わせて3時間。

温熱療法も始めました。
好転反応とやらの
鈍い、感じたことのない、嫌なうずき。

どうなったの。

私の手は誰が癒してくれるの。


テーピングをしていても
レッスンで左手は弾かないつもりが、
気づいたら動いてしまいます。

でも伝えたいんです。

このパッセージの美しさを。

私にとって
弾くことは、
お魚が海で泳いでいるような状態。
弾かないなんて
ありえないのです。

生きられないのです。

しかし、お盆過ぎに
心は定まりました。


痛いまま
弾いていこう!
痛みとともに奏でていこう、と。

弾かずにはいられないから。



音の世界って
なんて優しいんだろう。


今、
音大卒業して
まもなくの演奏会で弾いた曲が、
弾きたくて、弾きたくて、
初心からやり直しています。

シューマンのファンタジー(幻想曲)です。

歓喜への憧れと、苦悩。
その狭間に慰めが交錯する。

1楽章では、
生命の躍動の中に
苦しみと悲しみがほとばしる。

ああ、なんと苦しく悲しいのに、
そのところにぴったり寄り添ってくれる妙なる優しさがあるのだろう。

私の追いやられていた悲しみが
呼び覚まされるような感覚。

あれ?
こんな感情、あったの?


と、突如、慰めが天から降り注ぐ。



悲しみが慰めに抱きとられ、
力が抜けて、
静かに消えていく。

1楽章。

何回も弾きながら、

私が曲なのか、
曲が私なのかわからなくなる。


このまま、音の中で消えてもよい。

音の愛に消えてもよい。

こんなに愛されているのだから。

2時間弾き続けると、
左手が麻痺して動かなくなる。
かまいやしない。

ゆっくり湯船で癒そう。
左手をもっと
愛そう。


感謝で満ちてきます。
弾かせてくださりありがとうございます、と。

私は今日弾けて幸せでした。
私のすべてをあなた(音楽)に捧げます。

あなたがくださった音の中で、私はあなたの愛を過ごせました。

ありがとう。・・・。




わたしは、生徒さんに伝えたい。
音楽はどんな感情にも寄り添ってくれていることを。
共感に満ちていることを。

あなたのありのまま、
音に向き合い、音とひとつになっていこう、って。

響きと響き合いながら
素晴らしい日々を歩んでいけるよ、と。


みなさま、お元気でお過ごしくださいね。