kiss


そのひとはわたしの髪を撫でて
心配だ、という
頬に指先で触れながら
ほんとうに自分を好きかと問う

そのようすがかわいらしくて
弛んだくちびるを
くちびるの端に軽くあてた
離れると、こちらをみつめる困った顔

たまらずに笑い出しながら引き寄せ
今度は真正面から押し付ける
つよく、つよく

信じてくれてだいじょうぶよ
わたしはもう
世界にあなただけ、みたいな恋はしないから

















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