私が初入院をした90年代初頭、当時の精神科病棟は、すし詰めの雑魚寝で居住環境は極めて悪く、患者には犯罪に走る者も多かった。最も狙われたのは、おやつ、煙草、テレホンカードだ。また喧嘩もかなりの頻度で発生した。今就労現場のみならず社会すべてが苛烈さを極めている。低賃金による長時間労働。表裏の区別なく常に慇懃に振る舞わねばならずストレス発散の場がないのだ。ここまで社会が煩くなると食事で鬱憤を晴らすのは困難である。我が国において年々治安が悪化の一途を辿っているのは極度のストレスに潰れた者がドロップアウトしているのかもしれない。そして人の持つ習性として今後も社会は更に煩くなるのだ。フリーセックスのこの時代、淫らな性行為がーー社会問題になるどころかーー当然視される世の中である。令和が終焉するころ日本は人の居住できる環境ではなくなっている。ここまで来ると国民から鬱憤を取り除くには公的機関が関与せざるを得ない。就労賃金の引き上げと週休3日制の導入。性教育の徹底、時にカジノといった超娯楽施設の導入も視野に入れる必要がある。現に米国はそれで治安確保に成功した。政府が国民からストレスを取り除きストレス発散の場を設けるのだ。そうでもしなくては日本社会はいずれ崩壊しかねない。