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コンビニで働いていると、そこで働いているということを見下されることが、よくある。 興味深いので私は見下している顔を見るのが、わりと好きだった。
あ、人間だ、という感じがするのだ。
村田沙耶香さんの『コンビニ人間』の一節を読んで、
自分がキャディのアルバイトをしていた時の事を思い出した。
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キャディとは、ゴルフ場で、お客様が打ったボールを探したり、
グリーン上でボールを拭いたり、
グリーンの傾きを読み取ってお客様に教えたりする、
いわば”ゴルフのお手伝いさん”みたいなお仕事だ。
プロのゴルフキャディともなれば、
お手伝いさん、ではなく、共に戦うバディ(同志)だが、
私のような素人アルバイトキャディは、全然違う。
当然だが、お客様が上、キャディは下、だ。
お金をもらってお手伝いしているのだから、
その上下関係に何の不思議もないけれど、
キャディに対するお客様の態度は、2パターンに分かれた。
下僕としてぞんざいに扱う人と、
1人の人間として尊重してくれる人と。
ものすごいお金持ちの方も沢山いらっしゃったが、
カートのハンドルの上に両足乗っけて、
クラブ渡す時も地面に放り投げて、こちらによこし、
自分の調子が悪いとキャディに当たり散らす様を見ると、
何があっても、こんな人と結婚しない、と思った。
(いや、向こうも願い下げだと思うけど)
こんなにも露骨に、人に見下される経験をした事がなかった。
ショック、と同時に、心のどこかで興味深く、
それはまさに、冒頭の村田沙耶香さんの言葉だった。
まともに受けると心が弱るので、
客観的に眺めて面白がるのが、
精一杯の自己防衛だったようにも思う。
神様が乞食に化けて出て、
人や動物を試す昔話がいくつもあるように、
多くの人が、目上の人にはいい顔したがるけど、
自分が見下している人には、ガードが甘くなる。
その人の本性が見たかったら、
目下の立場で接する事ほど、分かりやすい事はない。
今は、ゴルコンと呼ばれる、ゴルフ婚活パーティーがあるらしい。
もしも、私が参加するなら、
絶対に、男性陣のキャディさんに対する態度をチェックする。
参加した女性にだけ甘い言葉をかけて、
キャディさんに威張り散らすような人は、速攻でアウト。
逆に、休憩時に、
自分達の飲み物だけでなく、キャディさんにも缶ビールやお茶を
おごってくれる方達はかっこいい。
それは、ゴルフ慣れしている方であれば、
よくやってくださる気配りの1つなのだけど、
他のメンバーに気を使わせないように、
いつの間に!?という早さでサっと買って渡して下さる人は、惚れ惚れした。
また、失敗して追い込まれた時も、
えげつないほど、人の本性が見える。
不貞腐れてクラブ投げるのか、
平静を装い、前向きにプレー続行できるのか、
その人の器が、ものすごくよく分かる。
結婚した今、私がゴルコンに出る機会などやってこないのだけど、
もし、これから結婚相手を探そうという方がいらっしゃれば、
参考にしてみてください(笑)
テレビ番組『アメトーク読書芸人』で紹介された本が、『コンビニ人間』含めて、本屋に平積みになってました。アマゾンで『コンビニ人間』と検索すると、予測推薦本が、全部アメトーク紹介本。アメトークの影響力、すごいな。
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