不明種(???)・スミレ数種
いろんな草本類はその成長の一年を知らないと、全く別ものと思うようなのがあるが、スミレの仲間もその例に洩れないようだ。
植生地の違い(陽当たり、木陰)で草丈や花径の大きさの違いが観られるのもあったが、成長過程で葉の形状の違いや花の色までいろいあることを知る。
また、ノジスミレと思ってきたものはリュウキュウコスミレ(まだ推定段階)もある(らしい)のに、植生地の違いとばかりに思ってきたのもあるようだ。
そして未だかって、なんという名前なのか判らない(決めかねない)まま以下の種を観ているようだ。
1)コスミレ ?
2)ヒゲコスミレ ?
3)リュウキュウコスミレ ?
4)スミレ交雑種(スミレ×リュウキュウシロスミレ) ?
5)スミレ交雑種(スミレ×ノジスミレ) ?
6)ノジスミレとリュウキュウコスミレの違い
昨日、これまで不明種の一つが、花を観たことによって、名前が判ったものがある。
17 1月15日(2024) の お花さん:ノジスミレ・スカエボラ・他
上の 17 の記事と画像は一部重複するが・・・。
(A)
撮影 1月14日
散策時に、これは???と思いながら、この3コマだけ撮っていた。
徒長気味なスミレだな?生えている場所でこうなったのかな?と思っていた。
翌日、気になって同じ場所に・・・
やけに花柄、葉柄が長いスミレだと再び思った。
撮影 1月15日
葉の形状や葉の裏、果実の様子などを後学のために撮った。
周囲を見てもこの一株(1本)しか見当たらない。???
ポツンと一軒家、ならぬポツンと一株なんだ。
その後の様子を見に行く。
石垣の隙間に生えたこのスミレの下の側溝の蓋の隙間には色鮮やかなスミレの仲間の数株が花を咲かせている。
どう見ても、この仲間ではない。
???
これがコスミレなのかな?
こんな石垣の隙間に生えている。
とにかく異常に花柄や葉柄が長いのだ。
葉の裏は紫色を呈していない。
撮影 1月20日
とにかく、後学のためになればといろいろ撮る。
そういえば、我が家にはこんな葉の形状をしたスミレも生えている。
花はまだ観ない。
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これも葉柄が異常に長い。
ほとんど翼は観られない、と言っていいのかな?
それとも微妙に翼がある、と言っていいのかな。
撮影 1月21日
いわゆるスミレやノジスミレではない、と言える。
石垣のスミレはこれと同じ種かな?とも思ったが・・・。
後はやがて花が咲くのを待つしかない。
遅くなった、以下は明日に回す。
3月16日 9:00 記録再開
花が咲くのを待っていたが、思い出した日は雨天だった。それから数日たって一昨日行ってきた。
ラッキーかな花が咲いているではないか!!!
1月20日にこの株に気がついてほぼ 3ヶ月目 の開花だ。
側弁に微毛在り、紫筋の花弁、花径からリュウキュウシロスミレに間違いない。
それにしても環境によって株全体の様子と言い、葉の形状と言い、こんなにも別ものと思うほど違うものなのか!!
これまで2か所で観察してきたが、以下のような環境・姿 (B) (C) なのだ。
(B)
生えている場所はこのような林縁だ。
まるでロゼットを見るように、葉は地を這うように伸びている。葉柄は短い。
小さいながら全て開花株
木の根っこに生えている株の葉炳はやや徒長?気味。花柄は長い。
一旦、休止
14:30 再〃開
(C)
舗道とブロックの境目に生えている。
葉柄は長く見えないが、特に花柄は長いようだ。
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陽当たりのいい (C) の葉
日当たりの良い所の葉の表面はクチクラ層があるようだ。
葉の縁が内側に曲がっている。
石垣に生えた日陰の (A )の葉
(C) の葉:披針形に比べ、心形だ。それにクチクラ層が無いように見える。
葉の縁は内側に曲がっていない。
これまで、(B) と (C) の全体像や葉の形状を見ているから、この (A) が (B) (C) と
同じ種だとは全く結びつくことはなかった。それに、この周囲に (A) と同じような株が一株もなかったので想像だにしなかったのだ。
ガクの付属体の様子
(A)
(B) のグループ
左:付属体無し 右:付属体 有りか?
(B) の株の中にに右のような付属体の果実もあったので、? ? ? に終わった。
どうも納得いかないので、(B) (C) の観察の後、(A) を訪れてみた。
(A) の場所
⇓
緑〇:コスミレ?と思しき株 多数 赤〇:(A) この一株だけ
たまたま反対側を見たら、こんもりとしたものが・・・
⇓
赤〇:(A) の株
6m道路の斜め反対側に(B)(C)と同じような株があったのだ。
(A) より、陽当たりが良い場所と思える。
葉柄は長く見えないが、花柄がやけに長く横にたなびいている。
(B) (C) と全く同じだ。
クチクラ層も観られ(C) と同じ形状の葉の様子だ。
そう言えば1月15日の画像だけで「リュウキュウシロスミレ」と指摘なさった花野 一朗さんに敬服する次第だ。
最後に
このように、同じ名のスミレでも、環境によってこのようにいみじくも違っていることを知った。
これで、3か月間悩まされた事案が解決して、ホッとした。
また、今回 春葉・夏葉など成長過程で葉の形状が違うこと(ヒメスミレは昨年観察済み)、また、冬の間も葉が枯れないという「リュウキュウコスミレ」など、これらの経過観察が楽しみだ。
もっとも、それ以前に「ノジスミレ」と「リュウキュウシロスミレ」の判別に時間を取られそうだ。
投稿 3月15日(2024) 金曜日 晴れ
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