
わたくしたちYADで設計監理を担当し、2004年竣工した伊予市の住宅。
メンテナンスのご相談をいただき、2026年5月の連休明けより工事始まりました。

この住宅の内覧をきっかけに、沢山のお仕事へと繋がった、幹ともなるお住まいです。
築22年。
更にこれからも。
有難うございます。

香川県坂出市:坂出人口土地
建築史には欠かせない、少し不思議で画期的な場所です。
設計者は、メタボリズムの主要メンバーだった大高正人氏。
1968年に第1期完成し、その後役20年、4期にわたり築き上げられたプロジェクト。
最大の特徴は「空中に人工的な地盤を作る」アイディアです。
土地を多層化し限られた空間の中に異なる機能を共存させています。
1階:商店街や駐車場、市民ホールなど「街の機能」
2階以上:市営住宅が並ぶ「暮らしの機能」
上下に分ける事で、歩行者と車が交差しない歩車分離が整えられています。


地上9mの人口地盤へは、階段とスロープで繋がっています。
車やバイク、自転車がそのままスロープを上り玄関先までアクセスできます。
人口地盤は建物の屋上ではなく。地上から続く「もう一つの地面」として設計されている為、人口地盤の上には今も穏やかな日常風景が広がっていました。

完成から50年以上が経過し、現在は建物の老朽化という課題にも直面しています。
しかし、ここで大高正人が提唱した地盤は100年以上持たせ、その上の住居を時代に合わせて更新していく」という思想が、現代の長寿命建築の先駆けとし注目されています。
古くなったら壊すのではなく、土台を大切に使い続け、中身をアップデートしていく。
そんな持続可能な建築のあり方を、半世紀も前から示していたことに驚かされます。

愛媛県今治市、サンライズ糸山にある「風のレストラン」が2026年3月22日の営業を最後に閉店します。(閉店理由は、施設の改修か建て替えかは不明ですが施設自体が閉館のもよう)
2010年に私たちで設計・デザイン・監理を手掛けさせていただいた、思い入れの深い店舗です。
本日はお別れと、これまでの感謝を伝える為に現地へ足を運んできました。

店内は相変わらず多くのお客様で賑わっており、皆様が食事と空間を楽しんでくださっています。
写真を撮りながら当時を振り返り、現地を初めて視察してからオープンまで、なんと”1カ月”という、今では到底考えられないスーパーハードなスケジュールだったこと。
限られた極端に短い時間の中で、地域らしさを表現し、訪れる人に心地よいと感じる空間をどのように創り上げるか。
関係者全員が寝る間を惜しんで無我夢中で駆け抜けた当時の熱気が蘇ります。

今治を代表する産業「造船業」とサイクリストの自転車を意識しスチール管を採用し、大小の鉄パイプをリズミカルに組み合わせた手摺は、造船の街の力強さと、風と視線の抜ける軽やかさを両立させました。

空間のアクセントになっている、サクラの花弁型にくり抜いたスチールパーティション。
あえて錆加工を施し、時間を感じる味わい深い表情をデザインしました。
短い工期のなかで生み出されたモノ達と、数えきれないほど多くの方々が、長年に渡り空間を共有くださったという事実は、建築を担う者として嬉しいことですが、無くなることはやはり寂しい。

風のレストランを愛してくださった皆様、運営に関わられた皆様、工事関係者の皆様、感謝申し上げます。
有難うございます。
今週末3月22日まで営業です。



