看護学校の3年間は充実していた。
実年齢こそはお姉さん(!!)の部類だったが一歩学舎に足を踏み入れると、みんなが同じ歳という感覚で対等だった。
看護学校はグループワークが多くて意見の食い違いとかしょっちゅう。
18歳の同級生から『◯◯ちゃん(私のあだ名)、
少し大人になりなよ。
あの言い方良くないと思うよ。』
と普通に言われる。
よく看護学校は実習とかイヤだ、とか聞く。
今の立場から言わせてもらえば 1人の患者さんだけと濃厚な時間を持つことなんて贅沢極まりなし。
受け持ちの患者さんと接して、その患者さんの生きてきた生活背景や仕事、家族のことを知るとグッと患者さんとの距離が縮まって愛おしくなる。毎回、実習期間が終わると辛くて患者さんも学生も泣いてしまう。
また三年生になると3週間の受け持ちで看護展開が出来るようになるともっと看護が楽しくなる。
総合実習で受け持った患者さんは、低酸素脳症だった。開眼するけど追視せず。自力体動なし。
胃瘻あるもST介入しお楽しみ程度の経口摂取を目標にした。日中覚醒し夜寝てもらうため
天気の良い昼間はベット毎屋上へ移動し暖かい日差しを浴びてもらったり、好きそうな演歌を流したり、旅行のパンフレットを見せながら、『退院したらどこへ旅行へ行きましょうか?』なんて話したり。STさんがゼリーを一口食べる時も明るい色のテーブルクロスひいたり 学生の中で考えられる全ての事を全力投球した。
その結果、昼夜逆転も解消して追視やうなずき
もあって。最後は握手して実習を終えた。
そしてめでたく看護師になった。