お腹が早くにすいてしまったので、初夏の陽差しが暑かったことから伏見の 久兵衛 で冷たいお蕎麦をいただきました。
今が旬の京都産竹の子を使った竹の子ご飯も歯応え良く美味しかったです(o^-^)


続いて向かったのは、東光山辨財天長建寺 です。
伏見地区は全く来れてなかったので懐かしいかぎりなのですが、何せ今回は時間的にとてもタイトでゆっくり拝観すらできてないです。
普段なら、ズカズカと入っていける長建寺なのですが、こちらも京都でこちらだけの弁天さんのご本尊で、弘法大師空海作と伝わる秘仏の八臂辨才天像と宇賀神将像が公開されていました。
どちらも一つの厨子に収まっていて、本来は巳年にのみ公開されるのだそうです。

京都唯一 財天


続いてこちらも特別公開されている、御香宮神社 です。
創建時は御諸神社と称したそうですが詳しい時期は不明です。
862年の社殿修築にあたり、境内より良香水が湧いたことから清和帝より御香宮の名を賜ったのだそうです。
太閤は1590年の伏見城建築にあたり願文と備前長光作の太刀(重文)を奉納し、当社を城内に遷座させて(相変わらずですねぇ…(--#))鬼門鎮護としたのだそうです。
世が移り、徳川家康により元の場所に戻した上で本殿が京都所司代坂倉勝重を普請奉行として1605年に造営されました。
表門は伏見城の大手門を移築したものとされ、現在の本殿は1990年から4年間の修復により、約400年の時を経て往時の絢爛豪華な極彩色が復元されています。
ちなみに江戸時代は社殿修復に徳川御三家からの寄付が篤く、権力者の変遷を拝殿の上の紋の配置が、中心は三葉葵、その横は菊御紋、その横に桐御紋となっていることから想起できます。
今回の特別公開においては、貴賓館で伏見城遺構の金瓦、伏見古絵図、太閤書状が公開されているのですが時間がありませんで割愛いたしました。
ゴメンナサイ。

御香宮


桃山天満宮


続きまして、油懸山地蔵院西岸寺 を通り掛かりました。
過去二回ほどご不在でしたので諦めていたのですが、今回は幸運にもお出会い出来た1590年に雲海上人により開かれた浄土宗のお寺です。
地蔵堂には、山崎の油商人がこの石仏地蔵に油を灌いで供養し行商に出たら商売が栄えたといわれたことから(しかし何故お地蔵様に油をかけようということを思いつくのでしょうかね…)、同様の行為による祈願が後を絶たなくなり信仰化したのだとか。お陰でお地蔵様の表面に油が層になって、制作年代など正確な情報を調べることも出来ないくらいに積もり積もっているそうです。
歴史ある地蔵堂は、鳥羽伏見の戦いで燃えてしまったそうで現在の御堂は1978年に再建されています。

油掛地蔵尊



さて、かなり時間が圧してしまいましたが、大黒寺 です…と、このお寺の向かいに、金礼宮 という神社がありましたので先にそちらへお詣りいたしました。
キンサツミヤなどと、なんとも変わったお名前なのですが、創建は伏見稲荷よりも古く750年と伝わる伏見ではとても古い由緒有る神社です。
凶相の最たる特大の流れ星が降るという異変がある中で、白菊を植えている変わった翁がいたそうです。
その翁に里人が尋ねると、実はそれが天太玉命の仮の姿で、忽ち湧き水が溢れ出たという故実から、白菊大明神の神号を第46代孝謙帝から賜り、社殿を建てたのだとか…。
また、第50代桓武帝の山城遷都の折に、天から金礼が降り、さらに金文字で天津太玉神を祀るようにと書かれていたのだとか…。
また、第56代清和帝の御代に能吏橘信濃守良基が阿波国より天太玉命を勧請したのだとか…。
ま、いずれにせよ伏見ではとても栄えていて戦などで焼けても再興を続けた当社ですが、太閤の伏見城築城にあたり御駕篭町への移転を強制されました。
江戸時代に入ると、1604年に曹洞宗喜運寺が創建された時に、金札宮はその鎮守杜として現在地である鷹匠町に移転し現在に至るのだそうです。
造化三神である高御産巣日神の子とも言われ、岩戸伝承の際に活躍したことから天太玉命を占いの神として信仰されているそうですが御祭神にされている神社は多くはないそうです。

天太玉命


金礼恵比須


さて前置きが長くなってしまいましたがお向かいの、円通山大黒寺 です。
詳しい創建の経緯などは不明ですが、平城帝の第3皇子で薬子の変にて皇太子を廃された高岳親王こと真如法親王、はたまた空海が開いたと伝わり、古くは円通山長福寺と称し真言宗の寺院でありました。
薩摩寺という通称もあるのですが、山口駿河守直友が3代目伏見奉行の時に薩摩藩主島津家久より薩摩藩の祈願寺としたい意向が示され認められたことに依るものです。
こちらの御本尊は、旧の長福寺時代は聖観音立像でありましたが、薩摩藩と縁があり大黒天が家久の兄義弘の念持仏であったことから、ご本尊そのものが出世大黒天立像となり、寺名も大黒寺に変えてしまったみたいです。
今回はその出世大黒天様が公開されていました。
一般開帳は60年に一度なのだそうですが(毎年9月の大黒天祭の際に年に一度開帳されているようです)、お伺いした時間が良かったのか(?)スムーズに拝観ができました!

出世大黒天


つづく