ノーラン監督は、熱狂的なファンをもっていますね。
特に、男性受けがすごく良い気がします。
わたしも、「メメント」観たときから注目していましたが、
まさか、「バットマン」をあんな風に蘇らせるとは。
ステキの一言です。
人の夢に潜入し、他人のアイデアを盗み出すことができる
コブ。彼はその才能ゆえ、最愛の妻をなくし、国際指名手配犯となっている。
そんな彼のもとに、サイトーという幹部から「盗むのではなく、植えつけてくれ(=インセプション)」
というミッションを提示され、人生を取り戻すべく、サイトーと共最強のチームを結成し、
インセプション遂行を目指す。
夢に潜入する。
夢を造形する。
夢を変える。
特筆すべきは、発想と構想の大胆さ。
CG部分と、アナログなセットを使って大胆にトリッキーに描き出す世界に脱帽。
まちがいなく、ノーランしか思いつかないだろう。
夢が何層にもなっているというのも、興味深い。
よく夢の中で、場面が変わり、自分がおかれている設定も変わっていることってある。
もしかしたら、あれは、階層が進んだということなのではないだろうか。
うーーーん、非常にユニーク。
夢は夢だと認識せずに、我々は過ごしている。---確かに。
夢でも痛みを感じる。--確かに。
「マトリックス」を観たときほど、ゾクゾクはしませんでしがが、
傑作なのは間違いないでしょう。
ストーリーも、インセプションと、コブの夢(置いてきた儚き夢と、理想の夢)を
上手く絡ませ、コブと妻の純愛がベースになるところもよい。
妻とのシーンでも、下手なラブシーンは排除することで、
精神的な繋がりがよくみえる。
この辺が、ノーランの良さだね。
脚本も緻密で、観ているほうも脳と感覚が麻痺されてしびれる。
ちょっと残念なのが、クライマックスの雪山のシーン。
ちょっと間延びしちゃってるというか、その前のホテルシーンが圧巻なので、
地味に感じてしまい、ややだれる。
しかし、豪華キャスト陣と見事な演技。
主演のディカプリオはいい意味でも、悪い意味でも、おっさん化しましたね。
でも、演技の幅は広がってます。
「500(日)のサマー」のジョセフ・ゴードン=レビット、渡辺謙、オスカー女優のフランス人マリオン・コティヤール、
「JUNO」のエレン・ペイジ、個人的に大好きなキリアン・マーフィーと、彼同様、ノーラン監督常連の
マイケル・ケイン。
どの役者も個性を出しつつ、見事に演じています。
そして、謙さん素晴らしいです。
こんなにも存在感ありまくりの役者の中で、まったく引けをとっていません!
英語も演技もさらに磨きがかかってますねー。
ヘンな日本人役ではないし、そもそも体格も顔も対抗できるし、
今後、どういった作品に出演するのか楽しみですね。
ノーラン監督は、まだまだ偉大な作品を創り上げそうですね。
役者が出演したい監督は、ノーラン、フィンチャー、前記事で書いた
アロノフスキーではないでしょうか。