今やっているような仕事があるのをまだ知らなかった頃。
ベートーヴェンのピアノソナタを夢中になって弾いていた頃。
「ベートーヴェンの交響曲を聴きなさい。そしてピアノソナタをオーケストレーションしてみなさい。」
とある日のレッスンで言われ、そこから意識して聴くようになりました。
と言っても、今のようにYouTubeやネットで簡単に聴けるわけではなく、NHKのFM放送の番組表を熱心にチェックしてON AIRを録音したり、お小遣いをためてやっとCDを買ったり、という時代でした。懐かしい。
その頃に初めて聴いた『第九』!
この曲を自分でも奏でてみたい、と強く憧れたのが、きっと、今の私の原点。
毎年この作品を弾くたびに初心にかえる、私にとって特別な作品です。
毎年歌ってる方も多く、経験者の率も高い曲だけど、果たして、楽譜に書かれていることを全うできているか?と問いかけられているような今回のオーディションでした。
今年の第九はどんなものになるのか、とても楽しみです。