マインドコントロール 2 池田整治 | 今、考えていること

マインドコントロール 2 池田整治

マインドコントロール2 今そこにある情報汚染/池田整治
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今日も、本日発行のメルマガを記載します。お題は、「危機の本質}


ここからは、普段のメルマガ発行ペースに戻ります。
が、内容はやっぱり、東日本大震災関連、特に福島第一原発事故関連になってしまいますが、お付き合いください。

フランス大統領ニコラ・サルコジが昨日来日しました。突然の来日です。何で突然来日したのかよくわかりません。朝日新聞は、昨日の朝刊にも夕刊にもサルコジさんの来日については全く触れてませんでした。今日の朝刊4面に小さく出てますが、一国の元首、それも大国の大統領の来日にしてはあまりにも扱いが小さいとは思いませんか?


サルコジ大統領、テレビでもご覧になってお分かりの通り、いえ、テレビで観るまでもなく、典型的な「フランス人顔」をしています。ああいう顔がフランスでは男前なのかはわかりませんが、ジャン・ポール・ベルモンドを思い起こさせます。えっ、ジャン・ポール・ベルモンド知らない?それじゃあ、ジャン・レノは?そのサルコジさん、1955年1月28日のお生まれですから、56歳になったばっかり。わたしと同級生ってことになります。


さて、サルコジ大統領、何でまた、突然来日したのでしょうか?新聞にも書いてないし、テレビでも報道されません。前日には、フランスの原発企業最大手のCEOが来日しました。メディアは勝手に、フランスは国を挙げて日本の原発事故の復旧に全面協力してくれるのだ、と歓迎ムード一色ですが、果たしてそんな簡単な構図の中で大国フランスの大統領が、それも突然来日したのでしょうか?


フランスはご存知の通り、原発大国です。電力の80%を原発に依存しています。フランスの面積は55.2万平方キロメートルで、人口が約6200万人、日本の面積が37.8万平方キロメートル、人口一億3000万ぐらいですから、日本の1,5倍ぐらいの土地に日本の半分ぐらいの人が住んでる国ということになります。


最近の報道でもおわかりの通り、原発アレルギーは日本よりヨーロッパのほうが格段に大きいといえます。それは1986年のチェルノブイリ原発事故を経験しているからです。チェルノブイリ事故を境にしてヨーロッパでの原発推進は一度止まりました。そのなかでもフランスは発電量の80%を未だに原発に依存しているというのは、ひとえに、原発産業が、フランスの国策事業だからです。


これでおわかりでしょう。サルコジ大統領が何故、この時期に突然来日したか?それも原発企業の幹部と相まって。形としては東電か日立や東芝、三菱重工とフランスの民間企業でしょうけど、原発の安全管理に関してはそれなりの契約があると言われています。つまり、原発企業のCEOもサルコジ大統領も、好き好んで日本に来たわけではないのです。来ざるを得ない理由があったのです。


29日(火)のメルマガにも書きましたが、福島第一原発事故の先行きは全く見えてきません。30日に、寝込んでしまった社長の代わりに記者会見した東電の勝俣会長の発言が物議を醸しています。この会長さん、矍鑠(かくしゃく)としてるのはいいけれど、どうも悪人面なんですね。ブッシュ時代のチェイニーとかラムズフェルドに共通するんです。別にわたし、人相鑑定人じゃないですけど。


この東電の会長の記者会見が現状を映しているように思います。口では「心より深くおわび」しているけれど、どうも当事者意識が感じられない。東電は原子炉メーカーにある意味全部を丸投げしているわけですから、東電にしてみれば、悪いのは「原子炉メーカー」の日立、東芝、三菱重工、IHIなわけです。そしてこんどは「原子炉メーカー」にしてみれば、現場の作業員のほとんどが、東電の子会社、孫請け会社の人たちというわけです。


http://www.iam-t.jp/HIRAI/pageall.html


上記のサイトは原発の現場で働いた方がすでに20年近く前に書いたものです。このサイトを読むと、つくづく、「原発はやっぱり作っちゃいけなかったんだ。」と思い知らされます。そして、現在現場で復旧活動されている方が、将来起こるであろう健康被害を想像すると本当にいたたまれなくなります。ことここに及んでもまだ、日本で原発を続けていこうと考えている方がいるということに怒りさえ感じます。


原発の安全神話は、完全に崩壊しました。その「安全神話」もまた、一部の原発推進派によるある種の「捏造」だったことが、上記のサイトからもわかります。早い話が、何しろ、原発を作りたかったのです。この論理は、戦争の論理とよく似ています。原発は、もし「絶対に安全」なら、こんなにすばらしい発電システムはないのかもしれません。しかし、「絶対に安全」なものなどないのは、実は誰もが知っていることなのです。戦争も、「絶対に勝てる」戦争なら、国益にかなうものです。しかし、絶対に勝てる戦争がないように、絶対安全な原発もありません。


何故、フランスが未だに、地続きのヨーロッパで80%の電力を賄うだけの原発施設を持ち得るのか?それが国策事業で、フランスの国益に寄与していると考えても疑問は残りますし、日本の原発がこんな大事故を起こして、そのままの原発政策、ということは考えられません。しかし、フランスはある時点で、国として原発の安全性と国益を国民が天秤に掛けたはずです。その結果が、現在の80%を原発に頼るエネルギー政策です。


何が、言いたいかというと、フランスは、ある時点で、国民に投げかけた「提案」を、日本はしていないのではないか?もっと、わかりにくいですね。


http://www.honza.jp/senya/1406


「もともと原発(原子力発電システム)は、第二次世界大戦直後にアメリカが研究開発にとりくみ、1951年にプルトニウムを作りながら運転するという高速増殖炉を発表したのが最初である。これはウラン濃縮施設が必要な原発だった。
 その後、ソ連とイギリスが核兵器製造用の原子炉をもとに、天然ウラン燃料によって熱中性子を核分裂させる黒鉛炉を開発し、カナダは重水炉を開発した。ついで1953年のアイゼンハウアー提案(「平和のための原子力」演説)で濃縮ウランの商業化がおおっぴらになると、濃縮ウランを使う軽水炉が主流になった。
 日本の原発はアイゼンハウアー提案の翌年、突然に原子炉に関する基礎研究調査費が提案され、衆議院で予算が通過したときから始まった。これを強引に進めたのが中曽根康弘である。」


唯一の被爆国である日本が、戦後まだ朝鮮動乱も起きる前に、原発事業に踏み出していく。それも、国民の意向など全く考えられずに。日本の原発は、決して国民総意で行われたわけではないということです。アメリカの意向で強引に進められたといってもいい。この構図、どこかで観た風景ではありませんか?


「危機の本質」などとちょっと大げさなお題ですね。
この震災の前までは、政治の危機と言われていました。もちろん、その政治の危機が、震災でチャラになったわけではありません。今回の震災、福島第一原発事故で増幅されたともいえるでしょう。というのは、政治の危機も福島第一原発事故も伴に根はいっしょだからです。日本はアメリカの属国だった。


しかし、この未曽有の危機は、日本がアメリカ支配から脱するチャンスでもあります。今回の震災、福島第一原発事故で、マスメディアが全く当てにならないものだということがほとんどの日本人にわかってしまいました。知りたいことを教えてくれないメディアなどいくつあってもしょうがないのです。今こそ、ジャーナリズム、ジャーナリストたちの真価が問われる時です。


それにしても「計画停電」はどうにかならないのか?って思っているでしょう。今週は月曜日の午前中だけ、第二グループの一部で停電した以外は全部中止になりました。しかし、今でも東電は、「このままでは、いつ計画停電を実施する状況になるかわからない」と言い続けています。個人的には、結構慣れてきたので、まあ、好きな時にやってくださいよ、なんですけど、このまま続くと、気持が萎える。経済に与える影響が心配されます。わたしは、未だに、東電は原発抜きでも5000万キロワット程度は明日にでも出せると思ってますけど、まあ、東電の発表が正しいとしても、供給を増やす手立てはたくさんあります。


http://www.tomabechi.jp/archives/51243485.html


苫米地ブログにあるように、60kz送電を開始するのも手でしょう。


また、各企業、工場が持っている自家発電を使うのも一方です。東電管内だけでもかなりの電力量を確保できるそうです。


ただ基本的には、家庭、組織、企業全てが現在の需要を30%落とせばいい話です。家庭ではすでにかなりの節電をしていますから、わが家の場合、来月の電力会社からの請求書を見るのが愉しみなぐらいです。
前にも書きましたが、社会システムを抜本的に変えれば、全然電力がないわけじゃないんだから、いっくらでもやりようはあります。


前にも書きましたが、交通機関を24時間体制にすれば、総量規制しなくてもいいのではないでしょうか。交通機関が24時間体制になれば、夜中のイベントもありですよね。それに企業も工場だけでなく24時間のシフト制に変えられます。公官庁が率先してシフト制にしていけばいい。


あきらかに、3.11の前と後では世の中変わっちゃいましたから、すでに制度疲労を起こしていたシステムは、いい機会だから、ガラガラポンしちゃえばいいんですよ。瀬戸内寂聴さんが書いてましたけど、『無常』の世の中、いいことも続かないけど、悪いことも続かないって。どん底ってことは、後は上がるしかないのですから。「どん底」でも、今回は底が抜けたんだよ、なんてケチはつけませんように。


上野の山でのお花見、宴会はできないみたいですけど、それなりによい週末を。



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