2011-03-30 19:01:47

原子炉時限爆弾 広瀬隆

テーマ:東日本大震災
原子炉時限爆弾/広瀬 隆
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 「東日本大震災」なのか、「東北関東大震災」なのかは、まあどっちでもいいが、明確にしておかなければならないのは、「マグニチュード9.0の地震と津波」による「震災」と福島第一原発事故は別物であるということだ。
 確かに、福島第一原発事故の原因は想像を絶する、または『想定外』の津波によるものらしい。しかし、原発事故は間違っても天災ではない。人災である。原発が「そこ」になければ「原発事故」は決して怒らなかったからだ。

 原子力発電は言うまでもなく原子力の力で発電するシステムである。その原子力の力とは、核融合、核分裂の力だ。そもそも原子力発電は「原子爆弾」の民生利用から始まった。推進派は、これを「平和利用」というが、折角開発した「原子爆弾」製造のノウハウを他に役立てられないものか?と原爆開発を目論んだ人間は考えたに違いない。

 ご存知のように原爆を始めて作ったのは、『マンハッタン計画』によるものである。第二次世界大戦でヒットラーのドイツに遅れを取らないための計画だった。ドイツもイタリアも原爆を使う前に白旗を揚げたので、アメリカは出来た原爆を使う道がなくなってしまった。作ったものは、使ってみたい、実験ではない、実戦で使ってみたくなった。
 1945年8月、原爆などなくても日本は降伏していたのにも拘わらず、時のアメリカ大統領トルーマンは、6日に広島、9日に長崎に原爆を投下した。

 原子力発電の歴史は浅い。先に書いたように、原理は「原爆」の応用である。アメリカが第二次大戦後研究開発に取り組み、1951年プルトニウムを作りながら運転するという高速増殖炉を発表したのが最初である。
 日本の原発は1954年、突然「原子炉に関する基礎研究調査費」が提案され、衆議院で予算が通過したことから始まった。これを強引に推し進めたのが中曽根康弘である。
 ここから現在まで55基の原子炉が作られ、今回の福島第一原発事故までは、国策事業として海外に売り込むだけの原発技術を日本は持っているとされている。


http://www.iam-t.jp/HIRAI/pageall.html



 たぶんこの原発事故がなかったら、日本のほとんどの人は「原発」がこんな怖ろしいものだとは思わなかったのかもしれない。原爆を落とされた経験のある日本人なのにである。スリーマイル島やチェルノブイリの原発事故は日本人にとっては「対岸の火事」だったのだ。
 そして原発推進派のメディア操作のうまさである。まんまと国民は騙されていたのである。
 
 わたしは1954年の生まれなので、日本の原発開発元年生まれということになる。1954年といえば、ゴジラが生まれた年で、ゴジラが生まれたのは、ビキニ島の核実験で第五福竜丸が被爆した事件がきっかけとなっている。

 まんまとアメリカに騙されて今まで原発を「便利で快適な生活」のために受け入れてきた。原発は本当はやばいんだよな、というのは知りながらも、積極的には反対してこなかった。だって、安全だって言ってるんだから。

 今さら昔を蒸し返して、東電や政府、原発推進派、そして関連企業を糾弾したところで仕方がない。その代りに、もう原発作るの止めましょうよ。現在計画中のもの、建設中のものも中止。もちろん現在停まっている原発もそのままおしまい。だけど、おしまいにならないのがまさに原発の怖さである。

 今回の福島第一原発事故でわかったように、原発を停めても、冷やし続けなければ熱を発し続けるのだ。つまり、停めて、壊して、ハイ終わりにならない。いやはや、こんなもん、やっぱり作っちゃいけなかったんだよね。

 まさかこれからも原発を作り続けるなんていう人いないよね?


おまけに3月29日に書いたメルマガ載せておきます。


この号で本当の臨時増刊最後にします。
先週の金曜日に発行したものを最後にしようと思っていたのですが、あまりにも福島第一原発事故の状況が、当初わたしが思っていた通りになってきたもので、となるとこれは思っていた以上の長期化が懸念され、どこかで仕切り直ししないと、何カ月も臨時増刊しなければなりません。


「当初わたしが思っていた通り」の説明をしておきましょう。
原発事故が起こってからの東電、政府からの発表は一貫して「メルトダウン」は起こっていない、というものでした。新聞報道はかなり始めの頃から「炉心溶融」という言葉を使っていましたが、TV報道ではまず、この言葉は聞かれませんでした。メルトダウンは炉心が全部溶けてしまうことだから、絶対そんなことは起きはしない、なんて真剣に話していたアナウンサーなのか、評論家なのかがいました。しかし、現実には「メルトダウン」は起こっていたのです。


ご存知の方はご存知でしょうが、福島第一原発70km圏内にメディア関係者は入れません。一応自主規制ということになっていますが、たぶんある種の報道規制がかかっているのでしょう。この判断は、2つのことを意味しています。ひとつは福島第一原発の事実を知られたくない。知っても報道されたくない。今問題になっている強力会社の多くの作業員が「現場」で被爆しながら作業を続けていることなどは本当は知られたくないことだったはずです。2つめは、70km圏内は『危ない地域』だと知っていたということです。


かなり初期の段階でアメリカを始めとする各国は福島第一原発から80km(50マイル)圏内からの自国民避難を打ち出しました。それは、まさにこの原発事故で、メルトダウンを起こしていることを知っていたからです。つまり、今の状況は政府も東電も十分に予測していたのです。


わたしは端から、日本の原発事故報道を信用していませんでした。アルジャジーラやヨーロッパ系の報道のほうが、より真実を伝えていたのは、海外報道には規制がかからないからです。もっている情報は日本のメディアも海外メディアもほぼ同じでしょう。しかし、日本のメディアはその全てを報道できないのです。


ちょっと前に消防庁の放水車で使用済み核燃料プールにうまく命中した報道が大きく取り上げられました。消防庁のレスキューの人たちが英雄視されたのは、強い放射能の中での作業に従事したことに対するものです。
福島第一原発施設とその周辺は高濃度の放射能に晒されていることは疑う余地はありません。


これはあまり大きく報道されていませんが、現在、アメリカ、香港、中国、台湾、シンガポール、オーストラリア、フィリピン、ロシアが福島第一原発に近い地域(80km圏内?)からの輸入を禁止しました。禁輸品は、まだ乳製品、果物、野菜、魚介類ですが、その範囲が広がることは間違いありません。
また、上海空港では、長野県と埼玉県から到着した日本人2名から「基準を大幅に超える放射線が検出され、病院で処置を受けた」と報道されました。隣国中国では、商品、製品に対する放射能検査だけでなく「人」の検査を行っているのです。


この原発事故は、前回のメルマガにも書きましたが、「スリーマイル島原発事故」などと比べ物にならないくらいの規模になるでしょう。チェルノブイリとは形態は違いますが、ある意味ではそれ以上の「最悪」の原発事故になるかもしれません。


ここまでくると、東電も政府も事の重大さに気付いたのかもしれません。もう日本だけでは手に負えないものだとわかったのです。しかし気付くのが遅かった。「冷やす」ための水が、放射能を伴って、毎日大量に漏れ出ているのです。海に流れ出るのも時間の問題でしょう。いや、すでに流れ出ているかもしれない。しかし、その水の注入を止めるわけにはいかない。水の注入を止めれば「冷やせ」なくなるからです。


「最悪事態 神のみぞ知る」
池田経産省副大臣の発言が物議を醸していますが、これ、本音でしょう。
もちろん政府の閣僚が言っていいのかどうかとは思いますが、政府も全くバンザイ状態ということです。

原子力や原子炉の素人には、それではどうすればいいか?なんてわかるはずもありません。しかし、少なくとも現状把握はできます。


原子炉から放射能が漏れている。原因は「炉心溶融」、それが一部にしても「メルトダウン」です。核分裂を繰り返して熱を出し続けているのですから、それをコントロールするためには、冷やさなければいけない。だから、水の注入を続けていたが、容器が破損していて、その注入した水が漏れている。このままだと、水を注入し続けて、漏れた高濃度放射能に晒された水を処理しなければならない。っていったって、そんな水をどこに捨てるのか?タンカーで運べ、なんて言ってるけど、捨てるところが見つからなければ、高濃度放射能入りの水で一杯なタンカーが増えるだけのこと。それも、漏れている箇所を発見して、そこを修理して、漏れないようにするのにどれだけの時間が掛るのか?はて、そういう作業は可能なのか?


そうやって考えていくと、日本人は、どこかで、大きな決断をしなければならない時が来るのかもしれません。その大きな決断というのが何なのかはわかりませんが、他の惑星のいい宇宙人がこの事態を何とかしてくれない限りは、それはかなり近々のことのように思うのです。やっぱり「神のみぞ知る」なんでしょうか。



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