がんばらない生き方 池田清彦 | 今、考えていること

がんばらない生き方 池田清彦

がんばらない生き方/池田 清彦
 未曾有の経済危機からパンデミックへと世界は、ある意味では予想通りの展開を見せています。
 経済危機の流れで言えば、これは世界恐慌で、資本主義の崩壊につながっていきます。
 「2010年 資本主義大爆裂!」という昨年2月に出たラビ・バトラさんの本には、10の予測というのが書いてありました。
2010年資本主義大爆裂!―緊急!近未来10の予測/ラビ バトラ

1.原油価格は100ドルを超えて高騰し続ける
2.「サブプライム住宅ローン危機」は再三爆発する
3.2008年、米大統領選挙は民主党の勝利
4.アメリカの大企業の破綻が続発する
5.日本の好況は2008年半ばか末まで
6.2009年に、イランが新たな中東の火種になる
7.アメリカの資本主義は数年内に終焉する
8.2009年後半から2010年前半に世界的な重大危機
9.中国にも2010年に危機到来
10.日本で新たな経済システムの胎動が起こる


 これは易、占いではありませんから、何がしかの根拠があって予測しています。今は2009年の半ばに差し掛かりました。1番から6番までの予測は見事に的中していますから、7番から10番の予測もきっと当たると考えた方が合理的です。


資本主義崩壊最終ラウンド―2009~2013 大恐慌はまだまだこれからが本番だ!/船井 幸雄

 パンデミック(世界的大流行)の流れで考えると、元は狂牛病や鳥インフルエンザになります。今までには考えもつかなかった感染症の発生です。起こるべくして起きたのかもしれないけれど、逃れることができない。


 2012年問題というのも絡んできます。フォトンベルトです。2012年12月22日に地球が次元上昇(アセンション)する?


 世界から国内へと眼を向けると、相変わらず政治の世界は混沌としています。とはいえどんなにがんばっても9月には衆議院が任期切れになりますから、このままいくと政権交代ということになります。


日米「振り込め詐欺」大恐慌―私たちの年金・保険は3分の1に削られる/副島 隆彦

 おもしろいといえばおもしろい世の中です。ただこの流れについていこうとするとしんどい世の中です。この流れについていこうとすると必然的にがんばらざるを得ません。世のほとんどの人は急流に押し流されないように必死にがんばっています。がんばっていれば、流れが弱くなってくれればいいのですが、急流が激流になってくることが予想されています。


 そこでひとつの生き方が「がんばらない生き方」になるのでしょうか。
 ひろさちやさんなども、この「がんばらない生き方」の提唱者です。

けちのすすめ 仏教が教える少欲知足/ひろさちや

 ある程度の歳を重ねてくると、がんばってもどうにもならない時があることが経験としてわかってきます。努力すれば何でもできるなどということが錯覚だとわかってきます。


 今わたしは幸せなのだろうか?たぶん人は常にそう自問自答を繰り返しているのではないでしょうか。今、どう考えても幸せではないと思えば、それは過去の幸せと比較してのことでしょう。今は幸せと思えば、それは過去の不幸よりはましだと考えているのです。


 幸せに形はありません。あなたの幸せとわたしの幸せを比較することはできないのです。
 そんなことは20年も人間をやっていればわかることですが、いくつになっても幸せ比べを始めてしまう。他人との比較を卒業すれば、自分自身の過去との比較が始まる。


 今は決して生きやすい時代ではないように思いますが、それも過去との比較の問題です。わたしの知っている過去などというものはわたしの記憶にある過去にすぎません。


脳と仮想 (新潮文庫)/茂木 健一郎

 最近は脳ブームです。そのブームに乗ったのかどうかはわかりませんが、「脳死が人の死」という臓器移植法が衆議院で可決されました。死もまた、脳で決まる時代になりましたが、その死は、脳とは関係なく昔から存在しなかったのですから、本当はそんなものは誰にも決められないはずです。しかしそんな話をしても通じる人には通じるけれど通じない人には通じない。


 テレビをほとんど見なくなって久しいのですが、別に我慢しているわけではなくて、ただ単純にテレビ番組に興味を魅かれるものがないからです。タバコを吸わなくなって5年ぐらいになりますが、そのタバコもどちらかといえば吸いたくなくなったというのが止めた理由です。


死とは何か さて死んだのは誰なのか/池田 晶子

 欲望というのは肉体を持った人間である以上生きていくためには必要なものです。欲望がなくなるとこれは神の領域ですから、この世に生きている意味がありません。


  しかし、人間が生きていく上で悩み、苦しむのも欲望があるからです。


 人間が悩み苦しむのには3つの大きな理由があるといわれます。ひとつは、この欲望です。ある程度の欲望が度を超すと悩みの種になります。ふたつめが、気質、体質、性格からくる悩みです。そして最後が喪失感からくる悩みです。世は無常ですから、形のあるものはいつかは無くなります。人も永遠に生きられませんからいつかは亡くなります。


 人間万事塞翁が馬、いつの時代もこの世は、何が幸いして、何が禍となるかは全くわからないのです。


 がんばっている人をあえて、がんばるな、とは言わないで、がんばるのに疲れた人に「がんばらない生き方」があることをそっと教えてあげるのがいいのかもしれません。