最後の一番長い一日 20 | 今、考えていること

最後の一番長い一日 20

「えーえ、もうCMなの?はい、それではまた、1分30秒のCMです。」


そう、ことの発端は『この世の中おかしいよねえ』っていうどこから沸いてきたかはわからない、『問い』からだった。昨日の続きが今日で、今日の続きが明日だと誰もが信じて生きている。そしてその連続が永遠に続くのだと。でも果たしてそうなのだろうか。現代の社会は、経済も政治も全てが明日があることを前提にしている。年金の話など、明日の話ではない。20年も30年も先の話をしている。現代の資本主義は人間の『自我と欲』で成り立っている。誰も心の底では『自我と欲』が善だとは思っていない。誰もお金で幸せが買えるなどとも思っていない。実際に『この世の中おかしい』のである。そしてみんな、それに気が付いているのだ。気が付いていない振りをしているだけ。


斎藤さんが声を掛けてくれた。
「お疲れ様です。先にブログを読んじゃえばよかったですね。それの方が話が早くて。」
「でも、これがきっとベストな流れなんですよ。もうみんなの直感でいきましょう。まだ、何が直感で何が思い込みなのかわからないけど。」

斎藤さんが部屋の隅で聞いていた私のお袋に聞いてきた。
「おかあさん、ラジオを聞かれてどう思われます。」
急に振られたお袋は、私に目を向けた。私に助け舟を求めているのかもしれない。でも、実は私も私の母親が今、この放送を聞いて何を思っているのか知りたかった。


「私には、よくわかりません。私はもう83ですから、十分に生きました。確かに戦争も経験しましたけど、今から思えばおおむね好きなように生きてきたような気がします。テレポーテーションっていうのがどういうものかはよくわからないのですけど、どうもこの地球も永くないなあとは感じてましたから、だって、いろいろ分けのわからないことが最近本当によく起こるでしょう。」


お袋の世代は世の中の現象だけで見れば、不幸な人生かもしれない。青春時代が戦争の最中(さなか)である。そして、敗戦。世の価値観が180度変わるという経験をしている。しかしそれでも、お袋は、自分は幸せだったと言っているのだ。


私は、これを聞いていたここに来ているスタッフが今どう感じているかを知りたくなった。しかし1分30秒は、そんなに余裕のある時間ではなかった。


松本知子さんの声が聞こえてきた。
「それでは、もうたくさんのファックスがこちらに届いています。メールもたくさんきているようですから、それをご紹介させていただきます。矢武之小路さんには、その都度コメントをいただければと思います。よろしくお願いします。」
「はい、わかりました。」


「えーと、まずは、これが、どうも一番多い質問らしいんですけど、今回の地震と地球のテレポーテーションは関係あるのですか、というやつです。どうなんでしょうか。今回の地震とテレポーテーションの関係は?」
「もう、率直に申し上げて、わかりません。先ほど、お話したように、全ての存在にはエグザ・ピーコさん、原子核の集合体がいますから、もちろん、地球そのものにもエグザ・ピーコさんというのはいます。今回の、明日の地球のテレポーテーションはその地球のエグザ・ピーコさんが宇宙に対してSOSを送ったためだと私は思っています。これは、私の仮説です。私が、宇宙の情報層から得た情報というのは、明日午前6時に地球がテレポーテーションするということだけです。ですから、地球のエグザ・ピーコさんと同調できる人はその辺を聞いてみたらいかがですか?できる人は結構いるでしょうから。私は残念ながらわかりません。」


「それから、これもすごく多い質問ですけど、これは、私と小西さんへの質問ですね。『小西さん、松本さん、地球がテレポーテーションするっていう話を信じますか』」


「私、小西は、もう正直申し上げてわかりません。私も矢武之小路さん同様、顕在意識が強い方ですから、感じられてません。それは、『波動の法則』に書かれていることが正しいのか正しくないのかもわからないということです。わからないから、否定するということとも違います。純粋にわからないのです。マッピーは?」
「私も、小西さんと同じかな。私の場合はその、エグザ・ピーコさんなんていう言葉も今日始めて知った訳で、信じるも信じないも思考停止状態ですね。」


「先ほども申し上げましたが、これは、信じるとか信じないとかの話ではありません。いずれにしろ明日の朝6時には、結果がでます。信じる人が多いと、テレポーテーションして、少ないとしないというわけでもありませんから。それから、日本だけテレポーテーションして、その他はそのままというわけではなくて、地球全部がテレポーテーションの対象です。だから、テレポーテンションは、いやだという人でも逃げることはできません。個人的にテレポーテーションできる人も中にはいるのかもしれませんが、そういう人はとっくにどっかにテレポーテーションしているでしょうから。地球よりずっと高い文化を築いている星では、俗にいうUFOが開発されてますから、集団でテレポーテーションできるみたいです。あの、『スターウオーズ』のように。」


「これが最後の質問になります。『これから明日の午前6時までどのように過ごせばいいですか』」
「私がどうこう言えることではないのですが、こんな体験ができるというのは、少なくとも地球の歴史上では、約33万3300年前以来のことですから。非常に貴重な体験です。この体験が体験としてそのエグザ・ピーコに残るのかどうかはわかりませんけど。この肉体を持ってまだ体験していないことを体験されたらいかがですか。それぞれの本質、エグザ・ピーコですね、それは、人間の身体を選択してこの世に生まれる時に、この世でやるべき事をプログラムしてくるといわれています。つまり、あなたのエグザ・ピーコさんは、あなたがこの世でこの肉体を持ってやるべきことを生まれたときから知っているんです。それがエグザ・ピーコさんのこの世の勉強です。私は勝手に『この世の使命』なんて云ってますけど、もしあなたが、その『この世の使命』にまだ気づかれていないのであれば、今日は一日自分を見つめる作業をしてみたらいかがでしょうか。もし、明日テレポーテーションしなくてもその作業は無駄にはなりません。もちろん、テレポーテーションしてもそのエグザ・ピーコは存在し続けますから。」


「矢武之小路さん、長時間お付き合いいただきましてありがとうございました。
私も、この先、番組をどうしていくかわからなくなってきましたけど、ここで番組を切っちゃうわけにもいかないので、続けていきますけど、矢武之小路さんは、これからどうされるご予定ですか。」

「実は、この辺は斎藤さんにお任せしているのですが、メディアに対応していかなければと思っています。もう、一回このような形でマスメディアに出させていただいたので、他のメディアは断りますというわけにもいきませんから。」
「斉藤も罪作りですね。それでは本当にありがとうございました。」


次のページ