そんな狂言の中でも大曲とされる「武悪」という演目を勤めさせていただきます。
山口では平成13年に復曲されるまで演じられた記録はありませんでした。
今回が2回目となります。
この演目は二人の家来、太郎冠者と武悪それと、この二人を召抱える主人の三人がでてきます。
狂言では珍しいシリアスなはじまりをします。
主人が太郎冠者に武悪を成敗してこいというのです。
時代的背景もあり、なぜ?と、今の人たちが普通にみるのに理解しずらい部分もあるのですが、その説明が上手くできないというか、難しくなるので省略(^_^.)
簡単にいうと裏切りを企んでいると考えた主人が先に動いたって感じです。
武悪をずっとかばってきた太郎冠者も今回ばかりはかばいきれず、成敗するために武悪宅へ向かいます。
でも、武悪は剣術が得意で、たろさんはあんまり強くないんです・・・だから、だましうちをすることにしたんですが・・・
武悪を上手くだまし、切りかかろうとするのですが、どんなに刀を振りかざしても切ることができません・・・
結局命を助けてしまうんですが、主人には成敗したって言わなきゃ自分が誅せられます。
成敗したと聞いた主人は喜び清水寺へ
また、太郎冠者に命を助けられた武悪も清水の観音様のご利益だと、お参りに・・・
見事に鉢合わせでさあ大変
主人は嘘をついたな!太郎冠者!!!って大爆発
太郎冠者は必死に成敗したことをいい、確認してくると武悪の基へ
太「お前、こんなとこで何しとんねん!!!
武「いや、△△□□こういうことで・・・
太「いや、とにかく何かええ方法ないか考えや!
武「そ、そんなん言われたって・・・あ~そうや、わし死んでもうてんから、幽霊っちゅ~ことでどや?
太「お~そりゃえ~わ!はよ着替えてこい
とまあ、こんなやりとりをして、主人の前に幽霊の格好して現れます。
あの世で主人の親にあい、修羅道で戦い刀が折れたからそれをとってこいだの、あっちは暑いから扇もらってこいだのいって、
最後に主人をあの世につれてこいっつって・・・
最後は主人が逃げ帰る
ってな内容です。
狂言の面白いところは全ての内容、ストーリーがわかっていてもおもしろいところ。
前半は同僚の命を奪わなければならない太郎冠者の苦悩
後半は成敗したはずの武悪が主人の前に現れしどろもどろの太郎冠者
プラス武悪の幽霊っぷり
狂言の演目の中では大曲の部類で、私どもができる中では一番長く、一番大変な曲です。
そんな演目を今年やらせていただきます。
これが自分にとって一つのステップアップになるんじゃないかと考えています。
今年はいろいろな意味で節目の年で、変化していかなければならない年です。
いろいろなことに挑戦もしていこうと思います。
全部が成功するとは思っていません。だけど、今の自分にできる全力をぶつけて、自分の前にある壁、壊したいと思っています。