1985年2月末だったか…

下宿先を決めるため、母親と2人で広島へ出向いた。


修大の周りには、指定下宿として何件かの学生寮があったが、

もう殆ど埋まっていて選択の余地はなかった。


大抵の寮は県道沿いにあったが、

山の奥のほうにポツンと一軒あったのが、松山寮。

畑峠の入口付近だ。


木造でかなり老朽化した建物だった。

部屋は四畳半、風呂・便所(汲み取り式)・洗濯機は共同。

大家さんは80歳半ばぐらいのお婆さんだった。


なにより驚いたのは、雪が積もっていたことだ。

「こんな所に住むのか…」


岡山の平野部は雪が降らない。

恐らく積もった雪を見るのは生まれて初めてだったろう。


※画像はイメージです。