光文社古典新訳文庫の「カラマーゾフの兄弟」 第4巻を、ようやく、ようやく読了した。


確かに意外な結末であった。

よもやそういう判決になるとは思わなかった。

ロシアの百姓たちが意地を通した、というのはどういう意味だかわからないけど。

ただただ頑迷ということか?


まだ 第5巻のエピローグと翻訳者の解題が残っているので、そちらを読んで この小説の全体について、そもそも何が言いたかったのかちょっと確認してみたい。


率直なところでは 「罪と罰」を10代の時に初めて読んだ時はすごく衝撃を受けたけど、こっちは この年齢で読んだからなのだろう、それほどの衝撃はなかったかな。


もしも自分が結婚前にこの本を読んでいたら、ヒョードル カラマーゾフ という父親のダメさ加減に対して、ものすごく嫌悪感を抱いただろうし、ドミトリーに対して親近感を持てたかもしれない。また、グルーシェニカ のような女性に対しても、すごく苛立った気がする。


それなりに 人生経験を経ると、まあ人生にはこういうこともあるかなぁ、という感じで読んだ、というのが率直なところかな。


登場人物が多彩なので、色々な場面転換があり、小説としての完成度は高いのだろうと思う。

また、やはり 文章 、文体がとても重々しくて、 それでいて 読ませる 、読者に考えさせるテーマが随所にあるというのは、 ドストエフスキーのすごいところだろうと思う。


そういえば、大審問官のテーマは 結局何だったんだろう?切々と重々しさは伝わったけど。結局人は良心の信仰だけで生きていくのは難しく現世の権威やお金やらがないと生きられないからそうして人々を導いて何が悪いんだ、というようなイルミナティ的な対処こそが現実なんだっていうことなのかなぁ。


まあ、 ともかく読みやすく感じたのは、何より 光文社の古典新訳文庫 というジャンルで亀山郁夫先生が翻訳してくれたからだろうと思う。


岩波文庫 だと多分もっと 重かったんだろうなという気がする。読んだことないけど。


カラマーゾフの兄弟 4