外国為替市場で円が独歩高を強めている。通貨の実力を示す名目実行為替レート(2008年=100)で円は25日に132.83まで上昇した。約2ヵ月ぶりの高値を付けた。欧州債務不安の再燃で「安全通貨」との見方から対ユーロなどで買われているのに加え、米国の追加金融緩和の観測が広がって来たことも円買い要因となっている。「世界的に金利が下がり、短期マネーが金利差から円に流れている」
ドルに対しても上昇圧力が再び高まり、80円台を付けた6月下旬か2円程度の円高になっている。米国では10年債の利回りが、初めて1.4%を下回った。9月12~3 日のFOMCで量的緩和第3段(QE3)に踏み切るとの声が市場で優勢になって来た。9月には欧州の金融安全網である欧州安定メカニズム(ESM)が発足する予定。円高圧力が一段強まるか和らぐか、市場参加者はの関心は9月のイヴントに移り始めている。(Q)