6月27日の東京市場では株の配利回りと長期金利の差が1.7%強に広がり、2000年以降の最高に迫った。
◇株式の配当利回りは「一株当たりの配当金を株価で割って求めるが、株価が下がれば利回りは上昇する」。東証1部の予想配当利回りは00年から07年ごろまで平均1%台だった。現在は2.5%台に上昇している。一方、長期金利の指標である新発10年物国債の利回りは0.8%台に低下。
●株から国債へという投資マネーのシフトも逆転の一因だ。景気不安などを背景に投資家は日米独などの国債など、流動性の高い資産に資金を振り向けている。ドイツは昨年5月以降、逆転が定着(4日最高3.22%)、米国でも今年4月以降逆転が続く。世界市場を舞台にバブル崩壊の低成長を意味する「日本化」が広がった。▼「持続成長と株の値上がりを前提とする文化が揺らいでいる」、人口減少が続く日本では現状が続きそうだ