昨年の私の誕生日は
もちろん何の予定もなく
誰からの誘いもないといった
美しいくらい真っ白な１日だったので
以前から行こうと思っていた
忌野清志郎さんのお墓参りに
一眼レフを連れて出かけた。
その道すがら
私の好きな犬のブルテリアがいたので
ちょっと強面だったけど飼い主さんに声をかけ
写真を撮らせてもらったり
電車を乗り継ぎ
バスに乗ったが
まったくお門違いな霊園に着き
受付で不憫そうに思われながら
丁寧に地図を広げて説明してもらうと
バスなど乗らずに歩いても行ける場所で
なんとも珍道中であった。
お墓参りの帰りは
ガッツリと雨に降られ
一眼レフが濡れないようにと歩いていると
急に
お好み焼きが食べたくなる。
今日は誕生日だから
ワガママは何でも聞いてあげるよ
と自分に言い聞かせ
家の近所のお好み焼き屋でも探そうと思っていたら
目の前がお好み焼き屋さんではないか。
おぉ
お好み焼きの神様の優しさか。
迷うことなく店に入ると
カウンターに通される。
マスターに瓶ビールを頼みチマチマやっていると
サービスでおつまみを出してくれたりした。
私は人見知りなので
マスターとこれといった話は弾まず
気が済んだ所で帰ろうと思っていた時
一人の女性が入ってきた。
彼女は私の横に座りマスターと気さくに話し始めた。
ひとしきりすると興味は私に注がれる。
あら瓶ビール飲んでんの？
あたしも瓶ビール飲もうかしら。
彼女の頼んだ瓶ビールが来ると
迷うことなく私のグラスに注ぎ始めるではないか。
じゃあじゃあ
と私の瓶ビールを彼女のグラスに傾けると
そのまま乾杯。
気がつくと二人でドンドン瓶ビールを開けた。
私ね、今日誕生日なんですよ。
彼女はビックリして私の顔をジッと見た。
根ほり葉ほり聞かれたのですべてを話すと
じゃ、お祝いに
と新しい瓶ビールがやってきた。
そうして終電近くまで飲んだのである。
その後
梅さんの公演や
全体公演も観に来てくれたり
セクシー寄席のお熱いショーパブに
なんの予告もなくやってきて
だって梅ちゃんの公演でチラシが入ってたから
と涼しい顔して言ったりする
イキで明るいねえさんとの不思議な関係が続いた。
もちろんこないだのグランドキャバレー！にも来てくれて
その度に
またあのお好み焼き屋で飲もう
という約束をしたが
果たせないまま
一年が経とうとしている。
だから
本日
行って来た。
不思議な縁がつながって続いてく。
もちろん夜明けまで
ガッツリ飲んで
がっつりしゃべったのであった。