　深刻な入院を話題にするドラマや小説などで、一般に「余命」は、一つの重要な関心の高い情報と扱われる様ですが、今回の母親の在宅介護の場合に、私自身は全く気にしておりませんでした。

(今年の1月18日アユタヤ駅で)

　しかし、妹は違っていた様で退院に向けた主治医との打合せの中で、母親本人もいる前でしたが主治医に「言い難い事とは思いますが…」と切り出し、参加者は皆で聞く事になってしまいました。

　主治医は「人それぞれ差はあると思いますが…」と前置きした後で、「1ヶ月から3ヶ月程度と考えている」との事でした。

　多少耳の遠いところがあった母親で、補聴器は付けていませんでしたが、その場で大きな反応を現す事は有りませんでした。

　以前から私は「トイレに自ら歩いて行けていた人が、行けなくなったら残り2〜3週間…」なんて思っていましたが、母親の事として受け止められず、まだまだ他所の話に思っていました。

　自身の問題と重ねられずに、ピンと来ていなかったのが正直なところでした。

　しかし、今年の桜が最後の桜か…、もう年越しも一緒に出来ないのか。

　後から考えれば深刻な話でしたが、その時はただ主治医の話を聞いていて、「退職後にいつか期限をきめずに、ゆっくり国内旅行」も、今は厳しくなったな、みたいに考えていました。

　5月、実際に在宅介護が始まり毎週のペースが出来る様になって、母親の今後が気になって調べてみました。(先行きが不安と言う訳ではなく、単純に今後の進行が気になりました)

(今年1月22日。ラムカムヘン駅近くのホテルから見たトンローの高級マンション(中央の3棟くっついて1つに見えてる建物)の傍に沈む夕陽)

　5月中旬の時点で、いろいろ調べている内に余命判断にはPaPスコア、PPI、PiPSモデル(AとB)等がある事を知りました。

　PaPは医師の主観的判断の上に補正？を積み重ねて算出する感じで、PPIは単純に状況観察だけで判断出来、PiPSモデル(AとB)は、血液検査の結果が必要になるとの事でした。

　海外の血液検査結果で計算できるサイトがあり、入力(単位や項目名が違ったり色々微妙)してみたら予想外に短い判定期間が出て、何か間違えて入力したかも…と、それ以上に深追いする事はしませんでした。

　結局5月中旬で医者でない私が、客観的に判断出来るのはPPIだけでした。

　とりあえず試算してみるとPPIは4.5になり、6週間未満と言う辺りになる様でした。(在宅介護中の私としては、自分でトイレ行けてたし、とても数週間の命とは、全く思えませんでした)

　PPI含め、様々な余命判定の計算項目では「寝たきりになっているか否か」や、「食事は食べれているか否か」が、余命判定に大きく影響します。

　だから逆に、ベッドの上でも「起きようとしたり」、「食事は食べるよう」と勧める事が大事なんて、母親の病状を元に余命を計算をしながら考えていました。

　しかし…余命を示す兆候があるなら、兆候を遅らせようと努力するなんて話がある訳はなく、病状の進行に伴い現れてくる結果なのだから、むしろ逆に状況に合わせた介護を考える事が必要だったはずでした。

(今年の1月26日。ウドンタニとノンカイの境近くにある地獄寺の建立中断？の大仏。3ヶ月先に母親の末期ガンの入院なんて全く考えていませんでした)

余命について