小心者の私は、制服のように当たり障りのない洋服をローテーションし、怒られないようにしてた。
確かにその方は、きちっとした格好をされていた。いつでもジャケットを羽織れば、スーツ着用と見える洋服を着てた。
ある冬の日、Aさんは黒のタートルネックのセーターにスラックスという、シンプルな格好で出社した。会社に常備してるジャケットを羽織れば、スーツスタイルの完成。暖房が暑すぎたのか、オフィスにいる時はジャケットは着ずに過ごされてた。
その時、私は見てしまったのです。下着に締め付けられ逃げ場を失った脂肪が四方八方に泳いだ、ダルッダルの背中を…。タートルネックセーターって、素材にもよるけど体型が本当に出るよね。下にヒートテックとか、インナーを着ていてもボディラインがくっきりでる。なんなら、Tシャツだけよりも体型が響くかもしれない。
Aさんは、ギリギリぽっちゃりにカテゴライズできるかどうかの体型だった。太っていることは、イコールキチンとしていない、という訳ではない。でも、人に不快感や驚きを与えない、自分の体に合った衣服を身につけるのも、社会人としてのマナーなんじゃないでしょうか…25.6歳のペーペーの私には、死んでも言えなかったけど、心の中で呟きました。 それ以来、なんだか彼女がピエロのように見えてしまって、悪いけどこうはなりたくないと思った。
香港の働く女性の服装は、大胆でセクシー、日本に比べカジュアル。勿論、オフィシャルなセミナーや会議の時はジャケットは羽織れど、ノースリーブのボディコンワンピも、ミニスカートも問題なし。 暑いからストッキングは履かない。私は着用するけど、キャミソールを着ずに、下着がブラウスから透けてても、まぁアリです。
そういう、今の環境に適応し、私も日本社会ではNGに分類されるノースリやミニで出勤することもあるけれど…
上記教訓は肝に銘じなきゃな、とヒヤリと思い出したのでした。