シマソウ先生のばらのまち福山ミステリー文学新人賞も16回になるのですね。
明利さんが第6回ですから――年月経つのは早いです。
(たまたま明利さんにサインをいただいた本に手が届き、見ると2018年)
“あかずきん”のあたくしが大好きな色といえば当然“赤”
“赤”と入るタイトルの作品を見ると引き寄せられてしまうわけですが。
赤と黒。なかなかオシャレな感じの表紙なのですが、光がはいっちゃっいました。残念……。
最初に事件が起こって、なんでもないことが続いて。
ところがとても些細な、読み飛ばすと損しちゃう。
次から次へとつながっていくのです。
まあ、あたくしは読み飛ばしはほとんどしていないつもりなのですが、時々一瞬眠ってしまうみたいで(笑)。
ということで、麻根重次さんの『赤の女王の殺人』を。
松本市役所の市民相談室勤務の六原あずささんを悩ませるのは、松本警察署の生活安全課から出向する形で在籍しているセクハラ上司の西條。もちろん上司だけではなく、市民からの相談も「これは違うだろ」というものもあり、苦労は絶えません。ちなみに西條さんは、女子職員には「ちゃん」呼び、男子職員は呼び捨てです。
そんな市民相談室に、ここ数か月で二回、妻が何者かに襲われたという相談が入ります。とりあえず、あずささんは男性職員と依頼主の高槻家を訪問。
ところが、そこであずささんたちはとんでもない場面に出くわしてしまい……。
妻の睦子の金切り声が!
「お願い、ナツミ! やめてよ! 誰か」
二階の開け放たれている窓の方へ後ずさりしている睦子は後ろ向きに落下。一歩も動けず、見送っただけになってしまったあずささん。
まさか、自分の夫の具樹さんから事情聴取されるとは――。
被害者が死ぬ直前に口にした『ナツミ』という人物を追う警察。
が、なかなか捕まえることができないナツミは一体どこに
あずささんの市民相談室には、骨が増えたという老人からの訴え、さらにコート、手袋、マフラーを身に着けた、まるで冬の格好をしていた怪しい人物に後をつけられたという老人が! しかもつけられたのは高齢の男性ばかりで三件も!
不可解の相談事は、睦子の転落死事件と……
(ちょこちょこっと登場してくるセクハラ男の西條さんですが、この人言動良くないワリにはなかなか鋭い推理を展開しちゃうのです。コレもちょこちょこっとですが。なんか憎めないキャラかも)
もうコレは、この作品の最初と最後にあると思われます。
第一章 密室での襲撃 の「一」の冒頭からですが。
平穏な日常が続くためには、努力がいる。
作品が終わってから、シマソウ先生の選評が載っておりますが、ここは読み終わってから読んでみると納得できます。
病んでいる人って多いですものね、今。
特にこの国に生きるあたくしたち。
そうじゃない方もいるとは思いますけれども。
そんなことを思うと、すさんだ心が善人でも狂わせてしまうのだと思います。
いつ自分がそうなるか、誰にもわかりません。
あなたは日記帳持ってる?
日記なんて書きませんかないですよ
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