テレ東さんで2024年4月30日に放送されました

『世界が騒然!本当にあった(秘)衝撃ファイル』から

「ハロウィンの惨劇」のみ追いかけてみました。

※文字数が莫大多いです。

1984年、カリフォルニア州
ハロウィンの夜に4歳の娘の母親ドリーンが何者かに襲われ惨殺された。

捜査を進めると、現場付近で犯人が被っていたと思われるオオカミのマスクが見つかった。
そして、犯行時すぐそばにいた4歳の娘から重要な証言が! 

果たして、犯人は一体誰なのか! 
驚きの真相が暴かれる!

捜査官vs㊙凶悪犯SP

実録!ハロウィンの惨劇

31歳母殺害 狼マスクの犯人を暴け

カリフォルニア州でハロウィンの夜に凄惨な殺人事件が起きた。
1984年10月31日午後7時
「ほらディアナ、じっとして。これでどうだい?
よし!」
「用意はできた?」
「うん」
「お菓子をもらいに行きましょう」
「よし行くぞ」
夫婦でカーペットの販売店を営む父親チャールズと母親ドリーン。2人には4歳のディアナという娘がいた。
「いいかい、ディアナ。近所の人がドアを開けたら、思いきり怖い顔をしてお菓子をたくさんもらうんだぞ」
「うん」
「ほら行くわよ。そんなに慌てないで」

「ジーン、こんばんは」
「あとで来てね」←お隣のジーン

一家が住んでいたのは小学校に近い住宅街。
ハロウィンの夜ともなれば、仮装した子どもたちが次々とお菓子をもらいに来た。
そんな中、午後9時――
町中がなごやかなムードに包まれる中、事件は起きる。

ノックの音
「は~い。どちら様ですか?」
ドアを開けると、立っていたのは血だらけの男。
閉めようとするジーン。こじあけようとする男。
「誰! 入ってこないで」
「ジーン、落ち着け。ジーンどうか開けてくれ」
「お願い」
「ジーン、落ち着け、僕だ。よく見ろチャールズだ」
「チャールズ?」
「そうだ」
シャツが血まみれになっていたからチャールズだとわからなかったジーン。
父親チャールズが隣の家に慌てた様子でやってきたのだが、彼の全身は血で真っ赤に染まっていた。
「お願いだ、助けてくれ。ドリーンが襲われたんだ。
すまないが警察と救急車を呼んでくれ」
「ええ、わかった」

妻のドリーンが自宅で何者かに刃物で襲われ、殺害された。その犯行はあまりにも残忍で猟奇的なものだった。
駆けつけた救急隊員も
「ひどい! 体中が切り裂かれている」
腹部を中心に数十か所を執拗に切り裂かれていたのだ。
これがこのあと、警察を翻弄していく怪事件の始まりだった。
そして現場では犯人が残していったと思われる手がかりが発見される。
「これは! 狼のマスクですね」
血のついた不気味なマスク。
これが犯人特定への唯一の物証となる。
謎に満ちた事件にはただ1人、幼い目撃者がいた。
「昨日のことは覚えてるかな?
お母さんと何をしてたの?」
「一緒にテレビを見てたけど……急にドアを乱暴に叩く人が来たの」
捜査官ジム:まだ4歳の子どもが“狼のマスクをした男がママを殺した”と言ったんです。信じられませんでした

「逃げて!」
狼マスクの犯人に殴られる母を見つめ怯える娘のディアナ。
4歳の少女が語った戦慄の事件とは――!?
「あなたにはアリバイがありません。
そのため私はあなたが無実だと信じることができません」
果たして、マスクの悪魔は誰なのか?
さらに、捜査が進む中、全ての始まりは――
4年前家族に起こったある悲劇だったことが明らかにびっくりマーク

「君は裏に回れ」
警察がマスクの男を追い詰めて行く。
そこで目の当たりにしたのは狂気に満ちた犯人の思惑。
「何だこれは」
並べられた2つの棺桶。これは一体何を意味するのか?

「このような卑劣な犯罪には死刑を求刑するべきです」
殺人に取り憑かれた犯人が企てた、前代未聞の殺害計画。
その恐るべき全貌とは!?

 

ここまではざくっといっちゃっています。とはいえ、事件の中味はこれだけでは何が何だかよくわかりません。

チャールズがお隣のジーンに助けを求めたあとの続きはこちらから。下矢印

 

狼のマスクをかぶった悪魔を追え

 

午後9時30分 隣人からの通報を受けた救急隊が到着
「ひどい! 体中が切り裂かれている」
ドリーンは玄関のすぐ近くで倒れており、
身体中に鋭い刃物による傷があった。

特に腹部は執拗に切り裂かれていた。
このときまだドリーンは息があり、救急隊員は懸命に延命措置を行う。その後、警察も現場に到着。
警察官はそこに広がる血だまりと無惨な姿で倒れているドリーンを見て言葉を失った。

現場写真には――
床が一面血に染まり、部屋中に飛び散った血飛沫は天井にまで達していたという。
そのときだった。
「家の中で物音が聞こえた。これから部屋を確認する」
「了解。くれぐれも慎重に」

犯人はまだこの家に潜んでいるのか?
ドアを開けると倒れてきたのはマネキン!
家には誰もいなかった。
午後10時 凶悪事件発生の報告を受け、現場に殺人課の捜査官が到着。
閑静な住宅街で物々しい雰囲気に包まれる中、救急隊がドリーンを病院に搬送しようとした。そのとき
「俺も一緒に行く。放せ、俺は夫だ。俺も救急車に乗る権利があるはずだ! 放してくれ」
だが、警察は夫チャールズが救急車に一緒に乗ることを許さなかった。
「いいですか、あなたにはここに残ってもらいます」
「なぜだ」
このとき、実際に現場にいたジム捜査官は、夫を乗せなかった理由をこう話す。

「夫のチャールズからは強いアルコールのニオイがしていたんです。彼が犯人の可能性は十分にあります」
血にまみれた服は倒れたドリーンを抱き起こしたときについたものだというが、返り血の可能性もある。捜査官はそう考えた。


「チャールズさん、事件が起きるまでの出来事を詳しく話してください」
「それはもう警察官に話したぞ!」
「もう一度私に話してください」
夫チャールズはこの日の夜にあった出来事を語り始める。
「俺は仕事から帰ったあと、ドリーンと2人で娘を仮装させた。家族3人で家を出たのは午後7時頃だ。近所の家を何軒か回って、お菓子をもらってから家に帰った。
そのあと俺はキャンディーを買いに1人で家を出て、その帰りにバーに寄った」
「何時頃ですか?」
「たぶん8時すぎだったと思う。そこで少し飲んでから家に帰ったら、ドリーンが血まみれで倒れていた。何が起きたのかワケが分からなかったが、娘がいないことに気づいたんだ」

「ディアナ! どこだ!」
「パパ」
「ディアナ、ケガはないか」
「うん」

「娘の無事を確認してから、隣のジーンの家に行った」
「なぜ隣の家に行ったんですか?」
「家の電話が故障していたので、彼女に通報してもらおうと思ったんだ。そのあと家に戻って、娘と2人で救急隊の到着を待っていた。今夜の出来事はこれが全てだ。
なあいいだろ。早くドリーンのところに行かせてくれ!」
だが捜査官は夫の訴えを聞き入れなかった。
「それはできません」
「なぜだ?」
「あなたを拘束します。こちらへ」
捜査官は夫チャールズの身柄を拘束。警察署へ連れて行く。
 

ジム捜査官:殺人事件で最も多いのは身内による犯行です。このとき夫のチャールズには明確なアリバイがありませんでした。彼を詳しく調べる必要があったんです。

凄惨な事件は夫婦が抱えていた何らかの問題から起きたのか?
その頃、病院へ搬送中のドリーンが救急車の中で息を引き取ったと報告が入る。

拘束された夫チャールズはドリーンの死を知り、泣き叫ぶ。
「おつらいでしょうが警察署で話を聞かせてもらいますよ」
「分かってます。早く連れてってください。
娘は警察が保護してくれますね?」
「もちろんです」
夫チャールズは事情聴取のため警察署へ。
一方、ジム捜査官は現場に残り、引き続き犯人につながる証拠を探した。


ジム捜査官:部屋を物色された様子はなく、犯人の目的は明らかに強盗ではありませんでした。


血痕は庭からも発見された。それらは犯人が持っていた刃物からしたたり落ちたものだと推測される。
犯行現場は住宅街。

しかも、多くの子どもたちが行き交うハロウィンの夜。
犯人はどうやって誰にも怪しまれることなく、家に侵入したのか?
警察署では夫チャールズへの聴取が始まろうとしていた。

「俺は何もやってない!」
「お待たせしてすみません。殺人課のバートです」
「犯人は俺じゃない。信じてください」

「一体なぜこんなことに……」
 

このとき実際に取調べを行ったバート捜査官本人は
チャールズは突然妻を失って混乱しているようにも見えました。しかし、あくまで彼は容疑者です。
 

「あなたにはアリバイがありません。そのため私はあなたが無実だと信じることができません」
「私は妻を愛していました。それに…ドリーンは妊娠していたんです。私は妻とお腹にいる新しい子どもの2人を同時に失ったんです」
殺害されたドリーンは妊娠8か月だった。
そして彼女の遺体は腹部を執拗に切り裂かれていた。
犯人は妻ドリーンの妊娠に対して怒りの感情を抱いていた人物なのか?
「奥さんは何かトラブルを抱えていましたか?
誰かとモメていたとか」
「分かりません」
チャールズは妻に恨みを持つ人物に心当たりはないと答えた。
そのころ、事件現場であるモノが発見される。
それはあまりにも不気味な㊙ミステリーな唯一の物証だった。
「捜査官、見てください。これは狼のマスクですね」
血のついた狼のマスク。犯人がかぶっていたものなのか?


ジム捜査官:マスクは事件現場の自宅の庭で見つかりました。血痕がついていたことから、犯人が捨てたモノの可能性が高いと考えました。
ジム捜査官は事件をこう推測する。
仮装した人々が行き交うハロウィンの夜、犯人は狼のマスクをかぶりドリーンの家を訪ねた。
そして玄関を開けたドリーンを、持っていた鋭い刃物で襲う。ドリーンを押し倒すと返り血を浴びることをいとわず、馬乗りになり、腹部を中心に刃物で何度も切り裂いた。
その後、血だらけの姿で家を出ると、庭に狼のマスクを脱ぎ捨てたのではないか?

「チャールズさん、見てもらいたいモノがあります」
机の上に差し出されたのは狼のマスクの写真
「このマスクはあなたのモノですか?」
「いいえ」
「よく見てください」
「いいえ、全く見覚えがありません」


バート捜査官:私はマスクを見たときのチャールズの表情に注目していました。もし彼のモノなら必ず変化が出るはずです。私にはチャールズが本当にマスクを知らなかったように見えました。
 

ドリーンを殺害したのは夫チャールズではないのか?
だとすると狼のマスクをかぶった悪魔の正体は誰なのか?
そしてこの直後、ある目撃者の証言により、凄惨な事件の㊙ミステリーな大筋が明らかとなる。
事件翌日の朝、警察は目撃者としてある人物から話を聞いた。4歳の娘ディアナだ。
ジム捜査官:事件が起きたとき、ディアナは母親と一緒に家にいました。
彼女は何かを見ていた可能性が高い。そこで子どもを専門に扱う捜査官を呼んで、慎重に話を聞き出しました。
果たして、4歳の少女は何を目撃し、何を聞いたのか?
「昨日のことは覚えてるかな?
お母さんと何をしてたの?」
「一緒にテレビを見てたけど……急にドアを乱暴に叩く人が来たの」
ドアを激しく叩く音
「ちょっと怖かった」
ドアを叩く音に「誰かな?」とディアナ。
「きっとお菓子をもらいに来たのよ」と言い、「はい」と返事をしたドリーンはドアを開けた。
「ママが大声で怒ってた」
「怒ってた?」
「“お願いだからもう帰って”って」
「何なの? 早く帰ってよ」とドリーン。
そのとき――「逃げて!」
そう、ディアナは母親が襲われたとき、すぐそばにいたのだ。
ジム捜査官:まだ4歳の子どもが、“狼のマスクをした男がママを殺した”と言ったんです。信じられませんでした

4歳の娘の証言により、事件の一部が明らかになる。
「やめて!」と叫ぶ母に刃物を振り下ろす狼マスク。
玄関先でドリーンを襲ったマスクの男は家の中に入ってくる。
「いるんだろ? どこだ」
ディアナに迫ってくる狼マスク。
そして――マスク男がドアに。その時、音がして。
「何もしないから出ておいで。そこにいるんだろ?
もし今日のことを誰かにしゃべったら、お前を必ず殺しに来る。分かったな」
ソファの陰でぬいぐるみを抱き締め、隠れていたディアナ。
母親を目の前で殺害され、犯人の声を聞いた4歳の少女。

ディアナ本人は当時の恐怖をこう振り返る。
「今も母の叫び声が頭から離れません。マスクの男の声を聞いて、急いでソファーの陰に隠れました。
私は当時4歳でしたが、もしあの男に見つかったら自分も殺されると思いました」
そしてディアナは捜査官に、犯人の声は父親チャールズの声ではなかったと話した。
警察は夫チャールズを容疑者からはずす。

「私は父を強く責めました。“どうして家にいなかったの?”“なんで助けてくれなかったの?”って。
でもあとから父が家にいなくて本当によかったと思い直しました。もし父があの場にいたら、私は両親を失っていたんですから」
 

ハロウィンの夜、何の罪もない家族を襲った狼のマスクをかぶった悪魔は誰なのか?
捜査の中で警察はある証拠を追っていた。それは――
玄関先にあった足跡。
その足跡はさらに家の外にもずっと続いていたのだ。
返り血を浴びた犯人が残した痕跡。
警察は犯人に辿り着くことを期待して、血の足跡を辿っていく。
しかし、駐車場に入ったところで足跡は途切れていた。
犯人はここに停めていた車に乗って逃走したのだろうか?
まだ防犯カメラが少なかった時代、警察は広く目撃証言を求め、マスクの男の行方を追った。
“ハロウィンの夜このマスクをかぶっていた男性を見かけた方は警察までお知らせください”というポスター
一方で犯人が残したマスクの入手経路も探す。

「ダメだ。このマスクはどこにも売っていない。
一体どういうことだ?」


バート捜査官:カリフォルニアだけではなく、付近の州も調べましたが、マスクの販売元は見つかりませんでした。
そのためマスクは海外のモノか、かなり古いモノだと考えられました。
 

妊娠していた母親を幼い子どもの前で殺害。
その子どもまでも手にかけようとした凶悪犯。
まるでホラー映画のような事件。ハロウィンの夜に起きた惨劇は近隣住民を震え上がらせたが、警察は有力な目撃証言を得られず、犯人の手がかりもつかめずにいた。

そんな中、マスコミは過去に起きたある事件との関連を指摘。ドリーンの事件は連続殺人犯による犯行ではないかと報じた。当時、この事件を追いかけていたジャーナリストのロイド本人は
「ドリーンの事件が起きる半年前に、同じ地域で2人の若い女性が立て続けに殺害されていたんです」
被害者の1人タニアは、帰宅途中何者かにナイフで襲われ殺害された。遺体は道路の脇に投げ捨てられていた。
その数日後またしても若い女性が深夜にナイフで殺害される。手口が似ていたため、マスコミは同一犯による連続殺人の可能性が高いと推測。犯人がまだ逮捕されていないことからドリーンもこの一連の事件を起こした凶悪犯の新たな被害者ではないのか、というのだ。
狼のマスクをかぶった悪魔は、無差別に女性を狙う連続殺人犯なのか?
 

一方で警察は全く違う見立てを持っていた。
4歳の娘ディアナの証言によると
犯人はドリーンを襲ったあと、すぐに逃走せず、家の中を歩き回っていた。このとき、犯人は誰かを探していた。
それは娘のディアナではなく、父親のチャールズだったんじゃないか?
捜査官は夫婦の殺害こそが犯人の目的だったとにらんでいたのだ。
バート捜査官:犯人は夫婦に激しい恨みを持っている人物、家族の近くにいたはずだと考えていました。
 

警察は、夫チャールズと殺害された妻ドリーンの経歴を調べた。事件当時、夫婦でカーペットの販売店を経営していた2人。その出会いは6年前、車が故障して立ち往生していたドリーンをチャールズが助けたことがきっかけだった。
「ワインでいいですか」
「いただきます。お仕事は何を?」
「カーペットを売っています」
当時チャールズはカーペットの販売会社に勤務。
理学療法士の資格を持つドリーンはセラピストとして働いていた。また離婚歴があり、2歳の息子ポールを育てるシングルマザーでもあった。
「これが息子のポールです。外で遊ぶのが大好きで毎日大変です」
「2歳ですか。今度会ってみたいな」
「じゃあぜひ」
動物や釣りが好きだったポールを、チャールズは実の息子のようにかわいがった。
2人は2年間の交際を経て結婚。結婚と同時にチャールズは独立して自分のカーペット販売店を開いた。
ドリーンもセラピストを辞めてチャールズの店を手伝うようになる。やがて夫婦は待望の長女ディアナを授かる。
だが、幸せの最中にいた夫婦を悲劇が襲う。
ディアナが生まれた3か月後……
ドリーンは4歳になったポールを庭で遊ばせ夕食の準備に取りかかった。だが、ほんの少し目を離した間に――
「ポール!
ポール! どこなの?」
残されていたボールとぬいぐるみ。
「ポール! なんてこと! お願い、返事をして! ポール!」
誤って庭のプールに落ちたポールは溺れて命を落としてしまう。
この痛ましい事故についてドリーンの夫チャールズ本人はこう振り返る

「家族にとって耐え難いことでした。
私とドリーンは息子のポールを守れなかったことで激しい罪悪感に苛まれました。その感情を言葉にすることはできません」
夫婦は長い間苦しみ抜いた末、もう1人子どもを持ちたいと考えた。そしてドリーンは新たな命を授かる。

当時を振り返るディアナ本人

「家族みんなでとても喜びました。子どもは男の子だと分かり、私も弟ができることを楽しみにしていたんです」
だが、その矢先――
狼のマスクをかぶった男により、ドリーンとお腹の子どもは無惨に殺害されてしまった。
ドリーンの遺体は、腹部を中心に全身を鋭い刃物で傷つけられていたが、全て切り傷で刺し傷は1つもなかった。
犯人は刺して致命傷を与えるのではなく、切り刻むことで
死に至るまでより長く苦しみを感じさせたかった、と考えられた。
狼のマスクの悪魔は、なぜそれほどまでにドリーンを憎んでいたのか? そして動機は一体何なのか?

 

有力な㊙容疑者浮上!

警察はドリーン夫妻の隣人に聞き込みを行う。
「トラブルなんて聞いたことがありません」
「頻繁に訪ねて来ていた人などいませんでしたか?」
「息子さんが亡くなる前は若い男性がよく来てました」
「若い男性?」
「はい。すごく優しそうで、よく息子さんの面倒を見てましたよ。親戚か何かだと思うんですけど。ただ、息子さんが事故で亡くなってからは一度も見てません」
さらに警察は、夫婦について気になる記録を発見する。
ジム捜査官:息子のポールが事故死したときに、チャールズとドリーンを訴えた人物がいたんです。

そして、この人物の登場によって謎に満ちた事件は
㊙ミステリーな急展開を迎える。

息子ポールが事故死した後で、夫婦を訴えた人物。
それはドリーンの元夫、マイケルだった。
ポールの実の父親であるマイケルは、息子の死は夫婦の育児放棄が原因だとして2人を訴えた。
裁判で訴えが棄却され、ポールの死は事故だったと判決が下っても、マイケルは納得していなかったという。
「あれは事故だったの」とドリーンはマイケルに。

ジム捜査官:我々は元夫マイケルに、非常に強い関心を持ちました。


そこで、マイケルが務める工場に確認すると、事件が起きた日から無断欠勤していることが判明。
捜査官はマイケルの自宅へ事情聴取へ向かった。
「君は裏を回れ」
警察が来たことでマイケルがどんな反応を示すのか、予測できない。万が一に備え、拳銃に手をかけ、慎重に近づいていく。そして――
「マイケル・デニスさん、警察です。
少し話を聞かせてください」
「何ですか?」
出てきたのはマイケルではなかった。
「マイケルさんは?」
「そんな人はいませんけど」
「家の中を確認させてもらえますか?」
「どうぞ。誰もいませんよ」
確認のために部屋に入った警察――
「こちらバート、あの家は違った。マイケルは1か月前に引っ越している。転居先は不明。大至急ヤツの新しい住所を調べてくれ」
その夜、警察はマイケルの現在の住所を特定。
そこは、事件現場となった元妻ドリーンの家から歩いて10分ほどの場所だった。
「警察です」
2回目のノックで男が出てきた。
「夜分にすみません、警察です」
「何ですか?」
「マイケル・デニスさんですね。
ハロウィンの夜に起きた殺人事件についてお聞きしたいことがあります」

バート捜査官:マイケルは“あぁそうですか”と興味なさそうに答えました。彼の感情が全く見えませんでした。

「すみませんが、家の中で話せますか?」
「別にいいですけど」
「では捜索同意書に署名していただけますね?」
「もちろんです、どうぞ」
マイケルはあっさりと警察を家の中に入れた。
「身分証はありますか?」
「ああ……身分証……2階かなぁ。取ってきます」
「自分も行きます」
そして、ドリーンの元夫マイケルと事件を結びつける重要な新事実をつかむ。
狼のマスクをかぶった残虐な悪魔は元夫マイケルなのか!?

ドリーンの元夫マイケルは警察の家宅捜索を受け入れた。
身分証を聞くと、2階かなぁ、と階段を上がるマイケルの後を警官が後ろから続く。
マイケルが振り向き
「そういえば拳銃に手をかけているようですけど、僕を撃たないでくださいよ」

このとき実際にマイケルに同行したジェイミー巡査本人は「彼の言葉に鳥肌が立ったのを覚えています。
この男は明らかに普通じゃないと感じました」

「どこに置いたかなぁ」
マイケルは身分証を探すフリをして何かの機会をうかがっているように見えた。
ジェイミー巡査は警戒を強めながら、マイケルの動きをチェック。と、そのとき
彼が指にケガをしていることに気づく。

ジェイミー巡査:ケガのことを訊ねると“昨日、仕事で指を切った”と答えました。しかし彼が無断欠勤していることは確認済みでした。それを指摘すると黙り込んで何も答えませんでした。

「そこに財布がありますよ。身分証も入っているのでは?」
身分証を確認したジェイミー巡査は、マイケルに警察署で話を聞かせてほしいと提案する。
「分かりました」
事情聴取に応じたドリーンの元夫マイケル。
果たして何を語るののか?

「息子さんの事故死について訴訟を起こしたことは知っています。あなたはドリーンを憎んでいた」
「息子は育児放棄をしたドリーンに殺されたんです。彼女を憎むのは当然でしょう」
マイケルは元妻への怒りをを隠そうとはしなかった。
ここで捜査官は核心に切り込む。
「ハロウィンの夜、ドリーンを殺害したのはあなたですか?」
「まーさーかぁ。そんな事しませんよ」
「これはあなたのマスクですね?」
「僕のじゃありません。こんな不気味なマスク初めて見ました。なぜこれが僕のものだと言い切れるんですか? 
証明できますか?」

バート捜査官:マスクを見たマイケルは明らかに動揺していました。このとき、彼が犯人だと確信しました。

そのころ、警察はマイケルの自宅を捜索。犯行の証拠を探していた。そして――
「ジム捜査官、これを見てください。血のついた包帯です」
マイケルは利き腕の右手の指をケガしていた。
それは刃物でドリーンを切りつけたときに負った傷ではないのか?
「2階はどうだ?」
「ジーンズにも血がついています」
警察は包帯とジーンズを押収。ドリーンの血痕が見つかれば動かぬ証拠となる。
そのとき――
「ベッドに拳銃が隠してありました」
マイケルが見せた不可解な行動。あのとき彼はベッドに隠した拳銃を取るチャンスをうかがっていたのではないか。

ジェイミー巡査:マイケルは拳銃で抵抗するつもりだったんでしょう。もしそうなっていたら、また死者が出ていたかもしれません。

元夫マイケルの危険な本性が明らかになっていく中、警察はついに㊙ミステリーなおぞましい犯罪の証拠を見つけ出す。
一体その証拠とは!?
 

捜査官は元夫マイケルの自宅ガレージを捜索。
そこにあったものに誰もが戦慄する。
「何だこれは……」
言いながら近づいていくと――
ガレージにあったのは2つの棺桶だった。

ジム捜査官:寸法を測るとドリーンとチャールズの体型にピッタリなことが分かりました。
棺桶は2人を入れるためにマイケルが作ったものなのか?
物証は他にも見つかる。
「これは何かのケースか?」
それは刃物を入れるケースだった。警察は、これが46㎝のナタのケースであること突き止める。

ジム捜査官:犯行現場の天井に凶器でエグられた跡が残っていました。確認するとエグられた溝は、ナタによるものだと分かったんです。

ドリーンの殺害に使われた凶器はナタであることが判明。
そのケースがマイケルのガレージから見つかったのだ。
警察はこれらの証拠を元に、元夫マイケルをドリーン殺害容疑で逮捕。
息子の事故死を逆恨みして、元妻を惨殺するという狂気に満ちた犯行は全米を震撼させた。
捜査関係者はニュースを通してこう訴えた。
「このような卑劣な犯罪には死刑を求刑するべきです」

しかし事件はこれで終わりではなかった。
マイケルを逮捕してから48時間後のこと――

ニュースで流れた映像
マイケルは起訴されなかったため釈放となりました
なんと、マイケルが釈放されたのだ。
一体どういうことなのか?
バート捜査官:マイケルを有罪にするには証拠が不十分だとして検事が起訴を断念したんです。

棺桶やナタのケースだけでは犯行を裏付ける決定的な物証にはならないとみなされ、血液検査でもマイケルの犯行を示す証拠を発見できずにいた。
釈放されたマイケルは詰めかけた報道陣に向かってこう言い放つ。
「遺族に同情します。犯人が捕まることを願っています」

ドリーンの遺族はすぐに会見を行い、
殺人に取り憑かれたマイケルは必ずまた遅ってくる、と不安を訴えた。

ドリーンの娘ディアナ:母が殺害されたときに聞いたマイケルの声が頭の中で聞こえました。父と私は恐怖でおびえていました。

警察はマイケルの再逮捕を諦めず、新たな証拠を探して必死に動いた。そして――
「それは確かですね?」
マイケルの知人を捜し出し、ついに1枚のある決定的写真を入手する。
写真に写っていたのは、狼のマスクをかぶった男マイケル!!

バート捜査官:マイケルがかぶっていたのは、事件現場にあったマスクと同じモノでした。マスクは珍しいモノで入手困難です。重要な証拠になると考えました。

一方、科学捜査班もマイケルの自宅で押収した証拠品の中から、殺害されたドリーンの血痕を発見。
事件はまたしても急展開。警察はマイケルを再逮捕したのだ。
“まだ無罪だと主張しますか?”
「はい」
マイケルは無罪を主張したが、警察は元妻を殺害した罪で今度こそ起訴。法廷でマイケルが企てた戦慄の復讐計画を明らかにする。これまで犯罪歴もなく、普通に暮らしていた男がなぜこれほどまで猟奇的な犯行に及んだのか?
ついにこのあと――
「いるんだろ? どこだ」
㊙ミステリーな事件の真相が判明する。
事件の真相は――
もともとマイケルは誰にでも親切で優しい人物だったという。離婚したドリーンとの関係も良好で、交代で息子の面倒を見るため頻繁に連絡を取っていた。
しかし――
愛する息子ポールの事故死をきっかけにその関係は崩壊。
マイケルは、ドリーンとチャールズを許さなかった。
脳裏に亡くなった息子が甦るたび、2人への激しい怒りが込み上げてくる。その底知れぬ怒りはやがて殺意へと変わっていく。
マイケルはまず、ドリーンとチャールズの棺桶を作った。

2人をこれに閉じ込め生きたまま海に沈めて、息子と同じように溺死させる計画だったという。

バート捜査官:マイケルはさまざまな殺害方法を考えたと話しました。もはや彼にとってはドリーンとチャールズを殺すことだけが生きがいになっていたんです。

そして、ドリーンが新たな子どもを妊娠。
家族が悲しみから立ち直ろうとしていたそのとき、
“アイツらだけ幸せになるなんて絶対に許さない”
マイケルは殺害計画を実行に移す決意を固める。
犯行にはマスクで扮装しても周りから怪しまれないハロウィンの日を選んだ。
そして運命の夜――
出産を心待ちにする妻ドリーンを、悪魔と化したマイケルが襲う。

ドリーンの腹部を切り刻んだマイケルはもう1人の標的、夫チャールズを捜した。
だがこのときチャールズは家にいなかった。

4歳の娘は殺害計画には入っていなかったが、見つけたら殺すつもりだったという。
このときマイケルはこう考えていた。
警察はすぐに自分を犯人だと特定するだろう。
逮捕される前にもう一度この家に来て、夫チャールズを殺害しよう、と。
しかし警察はチャールズを容疑者として拘束。
結果としてこれが夫チャールズの命を救うことになった。

ドリーンの夫チャールズ:今でも毎日神に祈っています。
“どうかこの怒りを消してください”と。それでもマイケルを許すことなど絶対にできません。

幼い子どもの事故死をきっかけに、一方的に憎悪を募らせ、筋違いな復讐を実行したマイケルにいかなる裁きが下るのか?
 

果たして判決の行方は?
ドリーンとお腹の子どもを殺害したマイケルは、
第一級殺人で有罪。死刑が宣告
された。

 

 

もう40年も前に起きた事件なんですね。

今ならいろいろと科学捜査もあのころよりも進歩しているでしょうから、昔起きた事件も現在ならばその力で解決できたものがいくつもあったと思います。

それにしても、お父さんはかわいそうすぎます。

奥さんを殺す理由はなかったのに疑われてしまって。

ですが、警察が疑いをかけ、よけいなことをしてくれたおかげで命が助かったというのも不幸中の幸いとでもいいましょうか。4歳だったディアナちゃんが1人にならずに済んだことだけでも。あのままホント、お父さんが酔っ払って遅く帰ることがなかったら、お母さんと共に命を奪われていたでしょうし、もしかしたらディアナちゃんまでも……。

なにせナタ! 相手は殺す気満々で精神も普通ではなかったわけですし。

 

許せないのは、あまりにも身勝手すぎる元夫。

他人の幸せを妬む心が、人を鬼に変えるのかもしれません。

一度は見逃された真犯人。警察が警察として機能してくれ、犯人を追い続けてくれたおかげです。警察は弱い庶民の味方になって助けてほしい、そう思いました。

(それなのに今の某国は……果たして“正義”が機能しているのでしょうかドクロ

 

 

 

好きなコロッケは?

コロッケの日だなんて初めて知りましたわ。

チーズコロッケが好き♪

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