辻堂ゆめさんの待望の、文庫での新刊です。

なんと、げみさんの表紙です!!

実は、同じ〝辻〟つながり(笑)というのもあり、ゆめさんのこちらの新刊は、〝電車〟が出てきているようでしたので、辻村深月さんのトークイベントの行き帰りのお供にしたものの、〝電車〟の中味がちょっと怖い……現実に起きてしまったとしたら、シャレにもならなくて(笑)。

「物語の舞台」として、登場する駅名ですよね、並んでいるページがあるですが、あらま、あたくしは東京寄りですと「藤沢」までしか降りたことがない(笑)……。

辻堂さんの「辻堂」はその1つ先。

同じ関東で、駅名とか地名は知っていても降りたことのないところって結構あるものでして。

 

 

夢……ゆめさん(笑)!

ではなく、夢というのは、大きくなってから見る夢はなぜか覚えてないことが多く、というより、もしかしたら見なくなったのかもしれませんが、この井瀬が見る夢というのは鮮明なのです。ぼやけていれば、それなりに〝ああ、夢か〟で済むものですが、大事な箇所が見えていなくても、何が起こっているかはわかるという……。

 

2018年8月、車輪のきしむ音と、鈍い衝撃音。

井瀬の乗る先頭車両はちょうどホームの中ほどで緊急停車したのです。

休日21:00台のホームになぜ大勢の人があふれていたのかは、この日花火大会があったからで。人が線路に落ちた……!?

 

これは夢――今から半年後の2019年2月。

 

夢を見ている自分と、夢の中の自分。

その二つが別個の存在であることを、井瀬は何故だか明確に認識していたのです。

いやに具体的で臨場感のある夢だと分かっているのに止められなかった……。

職場の同僚と一緒に、職場の最寄り駅のホームで。

自分が電車に轢かれて死んだという事実だけは目覚めた後も胸の中にのしかかっていたのです。

女子高生、紗世に声をかけられ、私も最近よく見ると。

自分がホームから落ちて電車に衝突して死んでしまう夢。

 

 

過去の夢はまだいい。けど未来の夢は困る。

素敵な夢ならともかく、死ぬ夢はつらい。

おまけに死の夢だけじゃなく、他の未来の夢に絶対になると紗世から聞かされた井瀬は「ありえない」と返しますが、

「夢で見たのなら……その未来は必ずやってきます」と。

 

近くで揉み合っている二人の男。一人は五味渕(高校の同級生。今は同僚)、もう一人は格子柄のコートの男。

井瀬は五味渕のもとへ駆けつけ、コートの男から引き剝がした瞬間、五味渕もろともホームから転がり落ちた――

 

やっと普通に生きようとしている井瀬に、半年後には未来がなくなる。紗世にああは言われても、なんとか変えられないかと井瀬は懸命になります。

過去、未来、過去、未来、過去……。

めまぐるしく入れ変わりつつ、ぼやけていた未来が少しずつはっきりしてきて。

 

読み終わって、処理のためにまた最初のほうへ戻るのですが、

本を思わずぶん投げたくなるくらい怒りが湧いてきました(笑)。

読んでみて、というよりも、途中でわかったところで感じるかもしれません。

ただ……紗世の心を思うと切ない……。

 

 

昨年発売されました、追掛日菜子ちゃんがあまりにもはっちゃけすぎてましたから、あまりにも違う……しかもタイトルに〝死〟も入った作品。

読んでから後、げみさんのこの表紙は最初に見たイメージとは違った感じになるかもしれません。

(でも、似鳥鶏さんの『そこにいるのに』のげみさんは……呪われそう(笑)で怖いですがドクロ

表紙カバーをとっても、怖いげみさんのイラスト。

            下矢印

 

 

デビュー作が好みで追いかけているあたくしとしては、どれもゆめさんの作品だと思えるのですが、もしも『片想い探偵 追掛日菜子』しか読んだことのない方、こーゆーのもゆめさんですから、逃げ腰にならず、ぜひ手にとって読んでみてほしいです。

 

 

そして一緒に買ったのが青崎有吾さんの『ノッキンオン・ロックドドア』。発売日が近くて、あまりにも偶然すぎて。

ですが、もう少し買うの遅らせていましたら、青崎さんのほうはサイン本が手に入ったえーん

 

 

 

世界フィギュア2019の記事が大変で、本の方がおろそかになっております(笑)。期間短くてもあちらのほうが時間がかかってしまうのです。(現在3本は溜まったまんま←フィギュアスケート)

 

 

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