佐々木譲さんの『沈黙法廷』。
そろそろ発売されてから1年になるみたいです。
WOWOWでドラマ化されるんですね、全然知りませんでした。
まあ、映りませんけれどもなので見られません
(ぜひ、地上波でもオンエアしてください)
佐々木譲さんといえば「警察小説」と断定するわけでもないのですが、あたくしが手にする作品はなぜかそっち。こちらは警察+法廷小説です。
逮捕されてから裁判――法廷シーンに迫力がございます。
といっても、そんなに激しいものではなく、ゆるりゆるりとまるでシーソーのようにあっちへ倒れたかと思ったら、こっちへ倒れる、という感じで。
なかなか真相にいきつきません。
ページをめくってもなかなか進みませんから、イライラしちゃうところもあるかもしれませんが、あたくしはそんなイライラするところが反対に面白いと思いました。ですから、最後まで飽きずに読み続けられました。
まあドラマ化され、来月オンエアされますから、どんなお話かはドラマサイトにいけば、ある程度わかるとは思いますが。
あたくしは、わざわざネタバレさせる気はサラサラございません。
ということで、軽~くどんなお話かを。
いまさら、ですけれども(笑)。
(さすがに既に新刊ではありませんものね)
フェリー乗り場で、将来を考えてもいいと思える女性を待つ高見沢弘志。
船は出港するというのに彼女は来ません。電話をしても出ないのです。
次の便にしますとショートメールを送るのですが……。
お互い客同士として、ネカフェで知り合ったふたり。
弘志は職探しできていて、彼女のほうもやはり仕事探しの途中だったのです。
彼女は来ることはなかったのです、連絡もなしで。
もしかしたら来ることができないことが……と思った弘志は、彼女から聞いた『工場で働き始め、寮に住んでいる』と、そこへ電話をかけてみますが、教えてくれた勤務先では働いていなかったのです。
赤羽警察署刑事課の捜査員、伊室真治は部下の西村敏と――
(この部下の西村さんは原作では男性ですが、ドラマのほうは女性に変わった? お名前も「敦子さん」みたいですし)
住宅街の中の家で、マッサージチェアの上にひとが死んでいる
現場は赤羽署からきわめて近く、そこには絞殺死体があったのです。
被害者はひとり暮らしの年配の男、馬場幸太郎。
何度電話しても出ないからと駆けつけてきた、幸太郎の息子、昌樹。
中学の時に離婚した父とは、しばらく疎遠。最近になって会うようになったと。
無職の老人はどうやって生活をしていたのか。
それは働かなくてもよいだけの家賃収入があったから、周囲には資産家、と見えていたのかもしれません。
聞き込みをすると、ときどき女性の出入りがあったと。
それは、ハウスキーパーとか、家事代行サービスのひとじゃないか、父はそういうところに雑用を頼んでいたと昌樹は言います。
発信先のリストから浮上したのが、フリーで家事代行をやっている山本美紀という女性だったのです。
ところが、埼玉県警の大宮署もこの山本美紀を追っていたのです。
大宮の事件と赤羽の事件で、同じ人物が事情聴取を受けることになっている
ふたつの警察本部の別々の事件で、同じ日に同じ女性が――
その大宮の不審死事件とは、やはりひとり暮らしの男性が浴室で溺死した件で、事件性なしとして処理されたのですが、遺族から何度も強く訴えがあり、動いたわけです。健康不安もなし、自殺する理由もなし、ただ周囲に不審な女の姿が見え隠れしていたのです。出入りしていた女のひとりに山本美紀が……
一方、彼女を捜していた弘志は、テレビのニュースで知ることになります。
ひっつめの髪でメガネの女は、あの日待っていた彼女だったのです。
でも字幕では、山本美紀と出ていて驚きます。
弘志が知っている名前とは違ってましたから。
その彼女が、強盗殺人の容疑者で、複数の不審死に関わっている
本来ならこんなところまで出さないのですが、もうすぐドラマで結末わかっちゃいますものね。それでもそこまでは……できません(笑)。
このあとは、谷田部さんというやり手の弁護士が山本美紀につくわけですが、この裁判の場面がひっくり返し、ひっくり返されてとなるのです。
高見沢弘志は、彼女がそんなことをするはずがない、と裁判の傍聴へ通うことに。(この傍聴席を求めてくじを引くところ、あたくしも並んでくじを引いたことがありますので、こういうシーンはよみがえってきます←ちなみにあたくしは自分で傍聴席を希望してではありません、仕事です)
とにかく、まだドラマまで日にちあります。原作面白いですから、先に読んでからドラマを見るのもよいと思います。
あたくしなんか原作をドラマ化関係なく読んでいることが多いですけど、別にラストわかっていても見てしまいます。原作と映像化された場合、若干変更部分があったりで、原作が崩れたり、映像化されて良かったり、まあ悲喜こもごも(笑)。
あ……なんかちょっとだけ、あれ と気になったのですが、ちょうどこちらの本を読み終わってからかな、実際の事件(よく似てますね。全くではないですが)で
連続青酸死事件で死刑判決を言い渡した裁判長さんのお名前が、こちらの作品に登場する重要人物(笑)と同姓同名なのですが、偶然
そんなに珍しいお名前でもありませんので、かぶっても「有りかな」ですが。
自分もよくミステリ作品で殺されてますもの、名前だけ……かぶりすぎ(笑)。
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