HarshKokuMaekawayutakasan

記事タイトルが毎度長すぎ(笑)で、若干、ネタ切れしておりますが。
注目の作家さん、前川裕さんの、発売順からいえば、3冊めですね。
あたくしの記事UPは、4冊めのほうが先になっちゃいましたが
♪おんぷ

これまた、狂気が疾走中といいますか、暴走しすぎといいますか、歪んだ心の暴走からいくとかなり激しいのではないでしょうか。
でも、こういうのって限界がありませんから、怖いワケです。

実は昨日25日放送の『アンビリバボー』の実録事件簿で最初に取り扱われた、今から40年前の新婚夫婦が手斧で惨殺された事件が、こちらの作品の冒頭になんとなく重なってぞぞっとなりました。(興味深い事件でしたから、いつものように番組を追いかけようと思ったのですが、荷物がこの放送時間帯のどこかに届くように設定してしまったため、諦めました。到着が時間オーバーするなら、やれば良かったと今さらながらに後悔しております

プロローグの事件との共通点は…
・何年か前の事件(小説のほうは、ほぼ20年前)
・外は暴風雨が荒れ狂う深夜
・殺害されたのは新婚夫婦で、凶器が手斧
・殺害現場は凄惨
・部屋の元の所有者、つまり大家が、部屋の鍵を落としている
・犯人がトラック運転手(実際の事件のほうはタクシーの運転手)

あまりにも偶然すぎてビックリだったのですが、作品に実際の事件を参考にしても、何ら問題はございませんし。でも…〝事実は小説よりも奇なり〟ですから、そのリアル感は…


まあ、たまたま「そうだったのよ~」で触れましたが、本来ならプロローグ部分はすっ飛ばす(笑)つもりでした。
あっ、そうでした。こちらは、書き下ろし作品であります。

では、読んだフリはできない程度に(笑)。

二年前、荻窪で起きた新婚カップルが手斧で撲殺された事件。
被害者夫婦は、高級ブライダルサロンの仲介で挙式をしていて、被害女性の口に押し込まれていたのが、そのサロンの宣伝パンフレット。
現場に残されていたのはアイピロー、そしてスポーツシューズの靴痕――
この捜査責任者、管理官の山上は、サイコキラーによる猟奇殺人を強調しますが。


事件を追う一課の手塚は、恩人の相良から、二十年前の新婚夫婦が手斧で撲殺される事件のことを聞き、その事件の犯人の消息を調べたいのですが、なかなか手が回らず。

そんなとき、山上管理官が荻窪事件の被害者と血縁関係にあるという密告があり…
その山上の姿が消え、連絡が取れなくなってしまうのです。


そして、さらに続く手斧による殺人事件…



犯人は意外ではありますが、歪めて考えれば(笑)、すぐにわかると思います。
ですが、作品にコロッとだまされるのが好きなあたくしは、だまされたままでページをめくっていきました。


前川さんの作品に横たわる事件は、ほとんど目を覆いたくなるようなものですが、今のこの時代に起こる実際の事件を思いますと、起こってもおかしくないことばかりです。
『酷』……本当に酷です(笑)。
ラストも…ちょっとやりきれない思いになりました。
(犯人、あなた一体何人殺めたの? と突っ込みたくもなる…)

それでも面白いです。
(だからといって、歪んだ事件を推奨してはおりませんが)
当然、前川さんの次の作品も期待したいと思います