「おしゃべり宅配便」
 
2018/05/09日投稿分 · 再・再投稿です。
義兄の在宅介護が終了し、その後の僕の仕事で「おしゃべり宅配便」(無料)の注文によるサービスを始めました、近況を報告させてもらいます。
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昨日久しぶりに一般家庭(農家)からの注文です。今までは老人ホームの方ばかり(4軒)でした、しかも最初の方が、次から次と紹介して下さいました。
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初回の分です 早速老人クラブから紹介の第一号のお客様がありました、普通の家庭訪問と違い、お客様注文のサービスです、絶対に失礼の無いよう、勤めました。
特別老人ホームにお住まいの学会員で無い方です、大変元気で散歩や、ホーム内を動き回る外交的な79歳の大変元気な方でした。
まあ ! ! 会話が有るわ 有るわ、次から次と、まずはホームの日常の話、身内の話、プロ野球の話、自分の心配事、あっという間の御注文の一時間でした、対話はお互いが話題の中に100%解けこみ、自分の知る総てを出し、語り合う事が大事ということに気付きました。対話の一コマです。
お爺ちゃん「わしが死んだらどうなるのかいのう」
・・・僕「爺ちぁんが生まれた前の所に帰るのですよ」
・・・爺ちゃん「そんなら、何故火葬するんかいのう、わしゃぁ火葬は嫌じゃ、死んでも熱いはずじゃ」
・・・僕「爺ちぁん、その心配はせんでいいよ、全然熱くないんよ、体も神経も死んでしもうたので」
・・・爺ちぁん「体も神経も死んだら、生まれる前の世界に行かれんじゃろうが」
・・・僕「いいや行かれるんよ、爺ちゃんの体は死んでも爺ちぁんの生命は死なんで、生まれる前の世界に行けるんよ、そして大宇宙の中を泳げるんよ、しかも永遠によ、」
…爺ちゃん「だったら火葬しても熱くないのかい、それに体は死んでも、心は永遠に、生きれると言うんかい。」
・・・僕「そうそう、爺ちゃんは、体は死んで火葬しても、心・魂・生命は永遠に生き続くと言う事です」
・・・爺ちゃん「なんだか、あんたの言うことが、少し解ったような気がする、火葬は熱くないんだね。」の一コマでした。
ちょうど見舞いに来られていた長男の嫁さんが「ずっと火葬は嫌じゃ嫌じゃ、と言い続けているんですよ」だそうです。
暫くして、ホームで見舞いに来ておられた、長男の嫁さんに会いました、柳井さん爺ちゃんが火葬の事は一切言わなくなりました、本当に有難う御座いました。
爺ちゃん貴男にとても会いたがっています、また来てください。の挨拶が有りました。
つぎの宅配が楽しみです。
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5件目です 今回は地元旧家の農家の76歳のおばぁちゃんです。
畠仕事もバリバリの大変元気な、おばぁちゃんです、3年前先立たれたお爺ちゃんの話から始まり、農業の苦労話や台風や干ばつ被害の話、子供や孫、ひ孫の話等が出ました。そして「あの世」の話になりました、何回かお聞きしているそうで、永遠の生命の話はご存知で直ぐに納得されていました。
徳の話に成り、おばぁちゃんから「何故先が短いのに、無理して徳を積まねばいけんのかいね」の質問があり、僕は「おばあちゃんが色々と良い事をして徳を沢山積むとね、おばぁちゃんの心がその分綺麗に浄化されて行くんよ。
そうして三途の川を渡りあの世の入り口の関所に着いたとき、おばぁちゃんの心が綺麗なほど、天国への通行許可が早く降りるらしいんです。
おばぁちゃんは大きく、うなずき「そうかいね、わかったような気がする、」でした。 
そろそろ時間が来たので、おばぁちゃんに「今一番心配なことは何ですか」と尋ねたら。
「この先息子たちにこれ以上迷惑を掛けたくない、老人ホームに入りたい、」と言われました。大変な事に成りました、ちょうど日曜なので公務員の息子さんも居られ、嫁さんを含め4人での会話となりました。
おばぁちゃんは両親の介護を長年され苦労が身に染み付いて居られます、大変良くしてくれている息子や嫁さんには、これ以上迷惑を掛けたくない思いが一杯の様です。
大昔からの旧家の息子さんは初めておばぁちゃんの気持ちを知り、大変ビックリされていました。
息子の嫁さんが「おばぁちゃん何言ってるの、私は微塵も大変とか苦労とか思っていないよ、喜んでおばぁちゃんのお手伝い、介護を最後までさせてもらう つもりよ」と言われました。
おばぁちゃんは泣きだしました、息子さんが肩を叩いて、なだめておられました、おばぁちゃんは自分が苦労しているから、嫁には同じ苦労は絶対させられないと思い込んでいたのですね。
おばぁちゃんも息子さんになだめられ、落ち着かれました、おばぁちゃんは嫁さんと顔を見合わせ、うんうんと、何度もうなずき合っていました。
時間延長です、2時間たってしまいました、息子さんが財布をもって来て、幾らですかと言われました、いやいやとんでもないです、この「おしゃべり宅配便」は完全無料の、サービス便なんです、こちらが差し上げたいぐらいですと固くお断りしました。
帰ろうとおばぁちゃんに挨拶したら、手を出されたので握手しました、何時まで経っても手を放してくれません、泣いておられます、息子さんがどうにか離してくれ、帰れることが出来ました。暫くして気になるので電話し、長男の嫁さんと話すことが出来ました、祖母ちゃんは如何ですかと尋ねると、主人と色々思案していますがまだ祖母ちゃんの決意は変わっていません、私達も迷っています。
柳井さんはどう思いますかと聞かれましたので、祖母ちゃんの、お気持ちを大事にして挙げて下さい、在宅介護される方はいろいろ気を使い気苦労が大変なこと、ホームの方は気使や我慢いらずでわがままにやってるみたいです、とゆう事をそれとなく伝えました。そんな「おしゃべり宅配便」でした。