ヘブライの創世記

 はじめに神は天と地とを創造された

 地は形なく、むなしく、やみが淵のおもてにあり、神の霊が水のおもてをおおっていた。

 神は「光あれ」と言われた。すると光があった。

 神はその光を見て、良しとされた。神はその光とやみとを分けられた。

 

 地球中心の天動説 神はその絶対の創造者である

 そして泥をこねて 神の姿に似せて 人間を作り出した

 日本語で言うならば木偶坊(でくのぼう)の神の代行者

 ただその木偶坊が知恵の実を食べたのである 怒った神の人間の荒野への追放

 懺悔と掟への従属によってのみ救済される

 

 ガイヤ カオスから生まれた

 天の神ウーラノス、海の神ポントス、山の神ウーレアーを生む 地母神である

 『オリュンポス』の神々の前にクロノスが在った クロノス ガイヤとウーラノスの子 ゼウスの父である

 クロノス ウーラノスの陽根を切ってその地位を代わり 親子相克 ゼウス クロノスを討って天空の支配者となった

 海はポセイドン 冥府はハーデース 地はもろもろの「いのち」のものになった

  そしてゼウスを主神とする『オリュンポス』の神々の物語である

 

 地球氷河期の間氷期 地の襞から生まれた人類

 原始の採食から二足歩行の捕食 石器での斧、槍での狩猟

 神との対面の中での火と竈と定着 一粒の種から農耕が始まった

 ただヘブライの神 農耕の実りより子羊の生贄を好んだ

 そして放牧の移動 移動民族 集落の実りの蔵を襲う

 唯一絶対の神 掟と裁きの神であった  

 イエスキリスト 自ら十字架に架かることによって 神の愛の道を開いた

 貧しきものの救済者であり十字架を背負うたイエス  その弟子たち 

 十二使徒派それぞれの十字架を背負うたが

 やがて地位の獲得と保全の中に その権威を教会の中に確立する

 王侯 またその支配と統治の権利を神授とする

 

 他方 部族争いの壕の中から生まれたマホメット(ムハンマド)の神 アッラー   

 地上におけるアッラーの奉職者 法衣にその代行者となる

 そのオスマン帝国の終焉

 神聖ローマ帝国からルーテルの宗教改革

 そしてフィレンツからのルネッサンス

 

 神は ライプニッツのモナドの調和 アダム・スミスの見えざる手としての調和 の中に見い出される

 そしてレッセフェール 教会からの解放

 

                     

 

 『リグ・ヴェーダ』のインドラ 『オリュンポス』の神ゼウス

 大酒飲みと放蕩 権力と欲望の神 王侯貴族の夢である 

 ただ印度の人々はブラフマー神・ヴィシュヌ神 そしてシヴァ神を選んだ

 ギリシャの市民はホメロスの英雄叙事詩を選ぶ

 プロメテウスと人との関わり その末裔の英雄譚である

 カースト制度に婆羅門と王侯はその地位を保ち ギリシャ市民の余暇は奴隷制の上にあった

 

 釈迦族の王子シッタルタ 出門して聖者の行 転意して山を下り村娘の捧げた乳糜を口にして菩提樹のもとに座禅して等覚となる 

 しかし

 世尊の弟子たち 仏籍の身分を得て 寺院に黄金の仏像を奉置した 

 

 中国の老子 孔子

 ギリシャのソクラテス プラトン

 それから二千数百年 それを超える哲学者は居るだろうか

 龍樹 浄土真宗 むしろ道元に思考を開く

 なにかマラルメの『骰子一擲』 リルケの『ドゥイノの悲歌』

 キルケゴールの『絶望の深淵』には神は居なかった

 そしてウィトゲンシュタインの『言語遊戯』

 

 今 有機から無機 森林,草原の破壊と枯渇の上にコンクリートブロックの高層建築と高速道路

 指導者原理を口にしながら その指導者が高価な背広を着て現われる

 ある国では なんの功労かは分からないが 勲章いっぱいの軍服の取り巻き

 統制された一般国民の上に指導者の権威と欲望が表現される

 取り残された地方の貧困と荒廃

 

 他方自由平等の自分勝手 民主主義のコンプロマイズが失われる

 

 人間の欲望がむき出し 何故に権力志向の欲望

 未だに武力の強圧とその侵攻 無差別のテロ 殺人兵器が飛び交う

 

 デジタル言語にその思考を整理する  そしてアバターとメタバース

 異惑星に未知の世界を探る