当人の合意にもとづく婚姻 性行為における二人関係の固定とその継続

 婚姻届とともに新しい戸籍の登記

 今戸籍の筆頭人 そして子供の親権が論議される

 子供の人権

 生まれながらの権利によって子供は生かされるのではない

 遺伝子の継承(「いのち」の「ち」の系) 親の子供の養育は自然のしきたり

 時に霊性の生まれ変わり(「いのち」の「い」の系) 「子供は天からの預かりもの」

 

 江戸時代 農村を出ての丁稚小僧 親方への弟子入り 住み込み奉公の雑魚寝

 一人前になっての長屋住まい

 貧乏人の子沢山 赤子は家事仕事の母親の背中

 子供達は路地裏でのみんなしての遊び

 時に隣のおばさんが面倒を見る 長屋住まいの助け合い

 

 黒船渡来 文明開化 そして明治から大正昭和 現代産業への移行

 第二次世界大戦 敗戦 米軍の統治下に入る

 財閥解体 家族制度の否定 生まれながらの個人の権利の教育が始まった

 しかし戦中派の生き残り 必死の戦後復興が始まる

   1985 年までは戦中派は 企業における家族制度を守ったのである

 独身者には独身寮 家族持ちには社宅があった 併設した託児所

 そして終身雇用 年功序列というが 定期昇給による扶養経費の増大への配慮

 企業には従業員とその家族の生活を守る義務があったのである

 

   1985 年以降 戦後派教育を受けた者の時代となる

  自ら招いたバブル崩壊を戦中派の家族主義経営に押し付ける

  終身雇用の廃止 原価の低価格を求めての下請けの中小企業を切り捨てての生産拠点の中国移転

  そして分社化とホールディングスカンパニーへの移行

  日本の産業基盤の空洞化 二十年三十年の景気低迷が続いたのである

 

  雇用の不安定 正規雇用から派遣社員へ

  家族制度の否定 社会保険制度も家族から個人に移る

 今は効果評価による雇用 個人であって家族ではない

 扶養家族の制度は薄れ 児童手当が浮き上がる

 

 文明の利器の購入とその環境の維持は 賃金を上回る出費となる

 動物には育児本能があった 人間は意識において育児に手間をかける

 家と家のつながりもなく孤立した育児環境 

 権利はあっても尊厳を失った人間存在

 恣意的欲望が子供の養育を忌避する 

 手間のかかるやつ 泣いてうるさいやつ 育児放棄 幼児虐待

 

 低所得者ほど保育園の必要性は高いのだ

 保育園制度は社会的必要性の上にある

 国の行政の義務である その義務認識の希薄 

  

 盆暮れ正月の里帰り

 だが法整備における休暇制度とは政治的次元を異にする

 個人の自由時間休暇 個人の自由の権利

 そして高学歴の女性の社会進出 今 育児休暇が法整備される 

 昔の家族制度にあっては家には孫の面倒を見る祖父母が居た

 ジジババッ子 躾ではなく遊びと愛情  

 今は 親と息子、娘の家の分離 ジジババと孫の接触は盆暮れ、連休の里帰り

 むしろ親の煩わしささ 子供の煩わしさ 親殺し、子殺しの事件

 

 昔 日本は村単位のゲマインシャフトであった

 しかし今は村そのもの過疎化と高齢化 限界集落にある

 地方の再生が課題となる 

 ゲマインシャフトの社会的範囲が必要であろう

 幸福度ランキング第一位  フィンランド 人口約555万人(IMF2022年} 高度の社会福祉制度を持つた国である

 まず地方の産業基盤と雇用の確立と 地方大学のその学術知識と人材の裏づけ

 集約農法とスマートシティーの構想もあろう

 

 大事なのは休暇ではない AI 技術による労働時間の短縮である

 そして十分な親と子の団欒(だんらん)の時間 

 しかし離散量の配列社会が未来への流れならば それに相応した幼児保育の場

 若者は未来社会をどのよう描く?

 ジェンダーフリーの無精子・無卵細胞の時代

 すでに植物の分野では1970年代から始まるフラクタルの概念とその実証において 一枚の葉からの生育再生が試みられた

 山中教授のiPS細胞による自動再生 生み出される未来の胎児 脳細胞に植えつけられるプログラムはどのようにあるのか?

 

 それとも 第二のルネッサンスによる人間復活

 AIロボットとChatGPTの傍らの 人間「いのち」の賛歌

 二世繁殖 生まれてきた赤児を抱え上げる