アリストテレスの『ニコマコス倫理学』

 精読は学者にお願いするしかない

 その解説文を読む 解釈ではなく解説である それを今までに築かれてきた私自身のアリストテレス像に重ねる

 私自身のアリストテレス像 解釈学である

 学者は精密性が求められる そして厳格である

 読書会 私は何度も怒られた 「勝手な解釈をするな」

 それでも私は思う いいではないか 私のアリストテレス

 

 アリストテレスにおいて至高善とは 絶対的なものではなく相対的なものである

 アリストテレスのプラトン批判

 対称の観察と分析 その論理

 論理の基準 それは理性に由来する

 人間にとってプシュケとは理性であった

 理性とは対称認識 識とは仕分けと構成である

 「究極的なアレテー(卓越性)に即してのプシュケ(理性)の活動 ト・アリスト(最高善)はエフダイモニア(幸福)であること 共同体のそれがポリスである]
  アリストテレスの教え子アレキサンダー すでに大王となってマケドニアからエジプト、ギリシャ、ペルシャ、インドの一部を版図とし ヘレニズム時代を築いた

 アリストテレスがアレキサンドロス大王に与えた論説 『植民地の建設について』では

 「ギリシア人たちには 友人や同族の人々として配慮し 彼らの指導者として振る舞うこと」

「異民族に対しては彼らの専制君主として臨み 動物や植物のように取り扱うこと」

と書かれてあったとのことである ―追章Ⅵ銀色のイメージ 02覚書「アリストテレス」より複記

 

 善とは「究極的なアレテー(卓越性)に即してのプシュケ(理性)の活動」

 「最高善は幸福であること」 人々を幸福にすること、それが善であるならば理解できる ポリスの目的である

 「最高善は幸福」が同義性の表記であるのならば私は理解できない  

 そもそもアリストテレスにあって幸福とは中庸にあった 中庸は「徳」ではあるが「善」ではない 「善」が「良(好}い」の意味ならば別であるが

 カントは「最高善は幸福であるというとき 神や魂の不死の存在が付随するのである」と書く

 アリストテレス『政治学』

 第1巻(国家の定義・共同体性)[編集]

 

 【国の定義とその構成】

 第1 - 最高の共同体としての国家、その目的である最高善

 第2 - 分析的・発生的探求の概説。国←村々←家々←男女・主人奴隷の関係。

  アテナイ人の都市国家であった 自由人の共同体として位置づけられる

 その自由とは「言葉を話す家畜」奴隷制の上にあった

 

 共同体としての「幸福」

 理性による中庸 幸福論 私の幸福 彼の幸福 その最大多数の最大幸福 

 ベンサムの幸福論とは異なる 多数意見の多数決 デモクラシーではない

 理性の優越 その意味ではプラトンの哲人国家と同一である

 仕分けと構成における中間論 そこにアリストテレスの幸福論があった

 相対認識における絶対性 彼には絶対国家性は存在しない

 あるのは究極の動力因

 不動の動力因と表現されると神認識につながる

 トマス・アクイナスは可能態から現実態に切り替えて 純粋現実態としての神の存在証明とした

 

  ソクラテスの死後の世界

 プラトンのイデアの世界

 アリストテレスにあっては質料と形相 実体の世界 対極に究極の動力因 E = mc2 

 ソクラテスの道徳

 プラトンの至高善

 アリストテレスにあっては現世界での幸福論であった

 

 今の政治にあって国民の幸福とは何か

   アリストテレスならば何と答えるだろうか

 それぞれが平安であること その環境 その風土によって平安の様相は異なる

 同一基準による統制 ウイグルの強制的な中国化 それは強制収容と強制労働を伴った

 もともと同じスラブ系であるとの理由 ロシアのウクライナ侵攻 武力行使

 まして個人の趣向 流行という波があるが 一律化は統治国家

 

  レッセフェール アダムスミスにあって経済用語 見えざる神の手があった            

 今は市場原理主義・新自由主義に使われるが

 フランス革命におけるスローガン 自由の旗のもとにあった

 しかし何でも勝手は ロベスピエールの断頭台である 「terreur(テルール)」 恐怖政治

 悪女として描かれるがマリー・アントワネットのギロチン処刑

 その死体は手押し車に乗せられて運ばれた 首は手押し車の足に載せられたと言われる

 何か私は東京裁判の東条英機以下の七名の首吊り処刑を思い出した

 

 それぞれが平安であること

 それぞれが自由であることのによる自由間競争 勝者と敗者 格差の発生

 新自由主義は行き詰った

 平安の環境づくりとは 

 高層ビルビル街のデジタル空間もいい

 野の花 木々の間の鳥の鳴き声 田園生活もいい

 その中間の地方のインテリジェンスシティー

 それぞれの要望と能力によって選択されるのだ

 ただ思いやりと助け合い 日本人の和の精神である 惻隠の情ともいう

 キリスト教の「愛」でもいい

 それは単一的な共同作業の強制ではない それぞれの才能にあって不足するところの補い合いである

 数と順列組み合わせと集合 その最大効用を求めるのがポリスであった

 

 アリストテレスの幸福論 最高善にあってポリスがあった 
 それにはカントの言う 神や魂の不死の存在 が付随する