国際経済を見るとき 為替相場は欠かせない

 1985年のブラザー合意が日本の経済に与えた影響は正にコペルニクス転換であった

 戦後は完全に終了した

 地価の高騰 東京の地価総額でアメリカの全土が買えるという馬鹿話まで飛び出すぐらいだった

 日本の金融資本主義の絶頂期である 土地担保があればいくらでも金を貸した

 ゴルフの会員権 ゴルフ場ブーム

 土地家屋の転がし売買 その利益によって国の税収は増大する

 資産評価益 固定資産税 地方自治体の税収も増大する

 立派な官庁に建て替えられる あっちこっちに公共施設 その維持費・減価償却費などは全く念頭にない

 公務員の退職金 三千万‐五千万  上級公務員 二回三回の渡りで一億

 日本の経営者 国内生産から 海外投資に移る ニューヨーク中心街に日本の会社の看板が立った 

 そして1989年の金融政策転換と1990年の総量規制 

 19913バブルが崩壊する 

 エズラ・ヴォーゲルによる著書「ジャパン・アズ・ナンバーワン」は1979年の発刊である

 1978年代の円相場189円(最高値152円) 1979年ー1982第二次石油ショックを切り抜けた そのあとのブラザー合意である

 1985年は戦前派から戦後派への移行期であった

 もしブラザー合意後の対応に浮かれがなかったならば 慎重であったならば以降の日本の経済も異なっていたであろう

 橋本龍太郎の金融政策転換と1990年の総量規制は正当な対応である しかしその外科手術に耐えられないほどの戦後派の意識構造であった

 小泉純一郎の新自由主義路線への転換はいろいろと批判があろう ただ体制の上に寄生しながら権利主張する非生産的な階級闘争派への執刀は正当である

 しかし強い者弱い者手を取り合っての共生を切り離す効果主義は 日本企業を分解に導いた 分社化 責任の連帯の忌避

 そして持株会社 利益だけを吸い取る

 円高の中での生き残りに 製造会社はその製造拠点を 次々と海外に移して行った

 その際行われた下請け会社の 現地指導の名で行われた技術移転 そのあとでの下請け会社への納品価格の引き下げ要求 日本の中小企業は消えて行った

 小才の利く日本の経営者は円高をむしろ利用する 投信資本主義に走る

 しかしリーマンショック 一気に投信資本主義は崩壊する

 

 情報の大事

  情報の収集とその管理システム 情報社会という言葉が始まる

 コンピュータと通信技術の著しい進歩

 電子素材とプログラミング

 そしてナノの世界 量子コンピュータ

 ニューロン回路のアルゴリズム

 

 情報社会の媒体として通信網 アナログからデジタル 八木アンテナ‐西沢光ファ

イバーの系譜を持つ しかし離散量に弱かった  

 間の文化 異質性の和 揺らぎの中に融和して円である だがデジタル 

 離散量を配列表の格子の中に監理して ただその位置によって意味付けられる

 ビッグデータ 巨大なプラットホームがその運行を管理する

 その改札を通過すためには登録されたアドレスとパスワードが必要である

 アナログの連続性に対するデジタルの 細分された静止画の明快さ 余波をは排除しての組み立てと組み合わせ その加工性の優位 情報の操作

 そこに暗号化された電子マネー・仮想通貨がある 

 他方

 金融システムの安定の国際的なルールによる中央銀行から離れた国家資本主義がその効率を高めていった 行方は不安定である

 

 今でも生き残る日本のものづくり企業がある

 航空機に使われるねじ一本に業者指定がある 航空機の機体に日本のカーボン繊維

 シリコンウエハ  各種レジスト  各種CMPスラリ  各種の高純度薬液

 半導体における材料化(ばけ)学の強いシェア

 東芝 日本電気 日本の大企業が円高の中に放置した半導体の その基礎部分を日本の中堅企業が守り抜いたのである

 カーボンナノチューブについて触れた東北大学の教授の寄稿に 分子意識の文字があった 規格品は大事である その基準作りに日本は常に遅れる

 しかし物の「いのち」に対する真摯な感性 日本の伝統的な風土の中にある

 

 世界の現状を観よう もし日本に対するブラザー合意のような措置が今の中国にな

されたら 中国はとてつもない世界第一の富裕国となる 世界が買われる

 貨幣と為替の理論は難しい  日本として生き残る道 

 経済界のトップよ 日本は本来 産霊日 そして修理固成の国だった