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若き聖者を愛する人々の円座の中で
親羅達多は説いた
「呪文の有効は
次に説く念力による
自己に結果する一切の事象の原因は 自己及び神による
縁には 自己自身の吸収反撥によるものと神によるものがある
念により凝集体は形成され かく形成された凝集体はそれ自体の有限と持続により自己への拘束力を持つ
凝集体を通じて感覚し思惟することの習慣は 本来の念より顕在意識を乖離せしめる
本来の念は潜在意識として集積され 且つ顕在意識に作用する
凝集体に付帯して顕在意識は 現象世界(即ち凝集体及びその関係の集累積としての世界)に自らを拘束する凝集体的・凝集体間の関係的規範を措定する
前記規範は 凝集体自体の枠及び凝集体間の関係の集累積の過程により 前意識的に形成され 意識的に確定されたものである
凝集体及び凝集体間の関係の集累積ならびにそれらによって結果されたものを肯定的に受け入れながらそれらを二次的なものとして包越する時 即ち一次的原因たる自己及び神を認知し自覚する時 人は本来の念力の主体性を回復し 凝集体及び凝集体間の関係の集累積を支配することが出来る
呪文の失効は
念力の空しさである」