円は神のロゴス
 揺らぎは神のパトス
 二極の対称とその衝突によるビッグバンは神の意志
 ロゴスとパトスと意志によって宇宙は創られたが
 すでに時間が始まり
宇宙は多様に展開し
あそこにアンドロメダ銀河 あそこにいて座の散光星雲
あそこにかみのけ座の黒眼銀河 あそこにオリオン座の散光星雲
 そして暗黒星雲
 二極の対称の調和に 意識する者は安らぎ
二極の対称の破れに 意識する者は苦悩した

           ◇         ◇

 ビッグバンの宇宙の拡がりの中の 部分の造形は
神々の意志
神の分身 すでに個別であるが ロゴスであり 統治である
それぞれの場にあって 多様に星雲であり 星団であり
その系列の中で 恒星であり 惑星であり
そしてその一つに地球があった

個体発生は系統発生を繰り返す
遺伝子は過去の情報のすべてを記録する

約40~35億年前の海の中で
二酸化炭素やメタンなどの無機物から原核細胞が作られた
それから約25~28億年を経て
真核細胞が 原核細胞の複合の中から生み出されたが
光合成によって
二酸化炭素と水カラグルコース(ブドウ糖)などの炭水化物をつくりながら
放出された酸素は
 やがて大気に出て その上空のオゾン層は 地球を覆い 
陸に 生物は這い上がった 約五億年前とされる

海の記憶 母の胎内の海 の記憶
胎生のはじめの 古生代の記憶

          ◇         ◇

タイタン(ティターン)親族はガイアの子であり 大地と海の造形とともにあった
タイタン神族の行動は 遅かった
しかしその力は大きく強かった
ヌーナ大陸(NeunaまたはNena)は 約19億年前に誕生した最初の超大陸である
約5,500万年前 ゴンドワナ大陸一部であったインド大陸は北上し 
北半球にあったアジア大陸と衝突し始めた その歩みは15~20cm/年であるとされる
衝突の圧縮力による大規模な断層や褶曲によって地殻を厚くしたアルプス・ヒマラヤ造
山によって生じた気象変動と 
約1,000万~500万年前アフリカ大陸を南北に走る大地溝帯(グレートリフトバレー)
によって生じた草原は
二足歩行のホモ・エレクトゥスのユーラシア進出への回廊となった

大陸は動くものだった 大地は割れるものだった その中を人類は移動したのだ


ミトコンドリア・イブ(Mitochondrial Eve)
ホモ・サピエンスはこの母方の遺伝子を共有する
ネアンデルタール人とクロマニオン人の違いは 喉の構造にあるといわれる
ホモ・サピエンス・サピエンス
「時間とともに自己複製分子DNA内に蓄積する突然変異である。」(斎藤 成也氏の論文より)
言語は初歩的には意志と感情の伝達であり 考えるとは自己内部の言葉の論理である
クロマニオン人は記憶能力では劣っていたが 言語能力で勝っていた

ユングの「元型」(Archetyp) 太母と老賢者は
内における時に地面に開いた底知れぬ割れ目や谷 あるいは奥深く巨大な洞窟 時に峻厳とした高峰 空を羽ばたく大鷲であったが
内における他者 自己自身(Selbst)の対者としてあった
ジュリアン・ジェインズにとって二分心(Bicameral Mind)とは
自己内部における他者{神託・霊媒)との対話であった

言語は単なる意志と感情の伝達能力ではなく 
対話による意識の分節 その論理的組み立て 思考を齎すものである

ユングとジュリアン・ジェインズにとって
言語は太母と老賢者または神との対話 神聖授与である


現人類は氷河期とともにあった 火はまた神聖授与でである

1929年 北京周口店竜骨山の森林で
数人分の原人の骨と石器や炉の跡と同時に 厚い灰の層が発見された
原人は生の木の実や草の実、螺や蛤などを食べていたが 腥さく嫌な臭いがした
そこに一人の聖人がやってきて 
木の枝をこすり合わせて火をおこし 食べ物を焼いて臭いをなくした
彼を燧人氏(すいじんし)と呼ぶ

2004年
イスラエルのゲシャー・ベノット・ヤーコブ遺跡で 焼けた火打ち石が発見された

ある種族の神話では 火は 二人の星人から投げ与えられたものであった

プロメテウスはタイタン神族イーアペトスとアシアーの息子である
強い動物に慄き 闇を恐れ 寒さに震える人類に同情したのはプロメテウスである
ゼウスの息子ヘパイストスの鍛冶場の火を盗んだプロメテウスは 人類に火を与えた
怒ったゼウスは カフカース(英語名 Caucasusコーカサス)の山にプロメテウスを繋いだ
プロメテウははげ鷹に肝臓を啄ばまれながら ただ時を待った
彼を鎖から解き放ったのは
ゼウスと人間との子ヘラクレスだった

やがてホモ・サピエンス・サピエンスは鍛冶場を造り 青銅を鋳造し 鉄を鋳造する

           ◇         ◇

神の表現 神の一つの表現なのだろう
数え切れない銀河星団の 数え切れない恒星系の その一つの惑星
地球の 僅かな厚みの地殻はマントルの上を移動する
揺らぎ 大陸の合体と分離と 
二極対称の破れ 生成と死滅の繰り返しながら
太陽時間の46億年分の20~10万年のホモ・サピエンス時間
そのなかでのホモ・サピエンスの生存である 
言語と火の神聖授与でホモ・サピエンス・サピエンスは動物学的分類から文化論文明論
に入る
 歴史時代の始まりである

 言葉はロゴス
 火は揺らぎ パトスである

 ホモ・サピエンス・サピエンスはヒのトとして神の道を習うのである
 二極の対称の調和(円としての神のロゴス)に安らぎ 二極の対称の破れ(揺らぎとしての神のパトス)に苦悩し
ジュリアン・ジェインズは 神と人との対話を人の意識の始まりとして捉える