形を持つということは 自己限定である

 木は木に 動物は動物に 人は人に
 そして梅ノ木 竹 松 ひのき 犬 猫 猿 いわし 鯨
 それぞれの相にある
 そのベクトルはそれぞれの様(さま)である
 そして私 日本人 
 あまり格好はよくないが平均的な体形
 幼いときはそれなりに可愛かったが 今では年老いて腰が痛い痛いといういささか醜い存在
 なによりも年老いてなお煩悩を捨てきれぬ愚禿(坊主ではないが)の性(さが)である

 実体は形相と質料からなる 形相と質料は形相因と質料因からなる
 形相因は 動力因と目的因と形相因に分かれる
 しかし神は目的を持たない
 ビッグバンは神の意志だった
 漢字表記に問題があるが 「いし」は 内在的方向性とその力であり 目的志向ではない
 自己限定は神の意志である
 ヒッグス場で神の素子は massを得て やがて星々となった
 なぜ神は自由意志を与えたか (ここでの意志は目的志向を持つ) 
 「光りに住むわれら同一の光素よ
 隔てなく互いに交じり合い しかも個性においてあるもの達よ
 それぞれの意志よ
 しばらく自らを明らかにするべく 
 それぞれの対象空間を持て」

 上位位相と下位位相がある 閉集合はその神の原型において円型をなす
 下位位相は円型において上位位相に包まれるが
 重力エネルギーによって圧縮された massが核となる
 恒星系において太陽が核である
 銀河系はブラックホールが核である
 二つの核
 発光体と暗黒
 軸の上下の対極ではない
 個別の核と集合の核である
 
 グレートウォールを持つ泡構造ではどうなのか
 一億光年の超空洞(ボイド)
 その壁に 超銀河群が円を描く
 文科系が心象するのは
 私には分からない
 一枚の紙の上なのか 透明な立体空間なのか 時間軸を入れ広がる微分係数を持つ三角錐なのか 単純に球状の空間をイメージすべきなのか
 ひとりひとりが回転舞踊 それが集まって連なって 輪を描く
 あちこちに星々の大きな踊りの輪
 華麗な宇宙の踊りの輪

 空洞ではない
 宇宙に描かれた星々の集団の回転運動の軌跡である

 宇宙
 神の拡がり
 その拡がりに神のロゴスの属性の 意識が遍在した
 ヒッグス場は神の意志の要請である
   
  massを得て 星となって 原子となって 分子を形成し 物質となり 生命が派生する 
 生命はなんに由来するのだろう

 向かい合い手を組み緩やかに輪舞する 男 女二柱の神
 アン ドウ ドロア 
 正弦波動
 その一対がたくさん集まって 連なって輪をなす その輪が集まって 連なって大きな輪をなす 
 大きな輪がたくさん集まって 宇宙の舞台を埋めた

 そして フラクタル
 宇宙の全体 神のロゴスの好みで円の枠縁
 その枠縁いっぱいに カメオの 向かい合い手を組む男女二柱の神の胸像
 神のパトスの思惑 
 時間は終わった (だから両足まではカメオに刻まれない)
 そもそも時間の始まりは 神のパトスの揺らぎからだった
 神のパトスの思惑の終わりとともに 時間は終わったのだ

 ただ男女二柱の神の合体が-1 と +1の合体ならばゼロ
 神のパトスの思惑の終焉は この宇宙という世界の終焉
 神はその始原に帰る
 神にとってゼロは一番居心地がいいのか知れないと言ったら
 意識者に怒られた
 神はいっさいの軸の原点 そしてその軸のひろがりのいっさいを内に包む在りて在るもの
 無限小であり 無限大であり その尊厳に在る



 浄明正直(じょうめいせいちょく)