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1669頃 恋文 44 x 38.5 cm アムステルダム国立美術館
 
恋文はフェルメールの作品ではお馴染みのシターンと手紙を持つ女と、傍らに侍女を配した風俗画のひとつです。画面中央下部の床のサンダルや箒、画中画として侍女の背後の壁に掛けられる帆船の海景図など、あからさまな寓意的要素が示されている点や、女性らが居る部屋とは別の部屋から覗いているかのような複雑な空間構成が用いられている点など、それまでの作品には見られない変化が顕著に示されているのが最も大きな特徴です。この複雑な構図・空間構成はこの時期には珍しいものではありません。
 
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1670頃 ヴァージナルの前に立つ女 51.8×45.2cm ロンドン・ナショナル・ギャラリー
 
ケースのふたの内側の絵と、壁に掛かっている額絵(画面左上)が同じ風景を描いているように見えます。これは、フェルメールの他の絵にも見られる興味深い描写です。当時、楽器の内装と対になった額絵を注文し、飾るという習慣があったのかもしれません。
 
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1672頃 ヴァージナルの前に座る若い女 25 x 20 cm 個人蔵
 
この絵は模作または贋作とされてきましが、専門家による再鑑定の結果、絵具が17世紀のもので「青」の顔料がフェルメールが好んで使っていたラピスラズリだったことや、支持体もレースを編む女と同じ布から裁断されたカンヴァスと推定され、2004年にフェルメールの真作と見なされるようになりました。その後、ロンドン、サザビーズのオークションで33億円で落札されました。
 
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1672頃 ヴァージナルの前に座る女 51,5 x 45,5 cm ロンドン・ナショナル・ギャラリー
 
当時のフランドルの楽器の特徴である、大理石を模したケース外側の塗装がわかります。また当時の絵としては珍しく、譜面立てを置いています。
 
フェルメール 其の拾でした。
 
 
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