改めて「大乗仏教ってなんだろう」と思い、ちょっとアカデミックな視点で知りたいなぁと思ったのでこの本を読みました。


佐々木閑著「大乗仏教 ブッダの教えはどこへ向かうのか」




問答形式で読みやすく簡潔に書かれていてサクサク頭に入ってきました。

このスタイルは僧かつ学者の方ならではだなと思います。


本来、膨大な原典に当たって一つ一つの言葉を深く味わいたいものですが、そのような知能も時間もない自分にとってはとても有難い書でした。


「現代にあって、極めて多様化している「仏教」の中から、自らの救いとなる部分だけを切り取って心の拠り所にしていく」という佐々木先生のご意見にはおおいに賛同したいところです。


「この教えだけが救いの道なの」みたいに雁字搦めにされて果たして本当に「救い」になるのか、むしろ固定観念にとらわれて道を見誤らないか。

わたしの人生通して最近思うところです。


大乗起信論のお話にもありましたが、般若経にしろ、法華経にしろ、涅槃経にしろ、経典はその年代の各教団によって作られてきたもので、原始仏教とはまるで内容が違うどころか基本的な哲学が異なっている、でもそれは悪ではない。

しかし、教説の中には必ずしも現在を生きる人の感覚にあてはまらない部分が含まれていて当然。


「仏教」が今後も人々のニーズに合わせて進化していくものとすれば、

どこかの誰かがまた新たな「仏説」を唱え、それが今を生きる人々の救いになっていくかもしれない。

新たな「如是我聞」が発生するのが楽しみですらあります。

まぁ、今も沢山新宗教が出現してそれぞれの教義をもって布教していますが…

このすさまじく短時間で情報が拡散し、批評されていく世の中にあっても受け入れられ、後世に残るものならば、本物の「仏説」となっていくかもしれませんね。