50キロの関門(比良山登山口)で雨具の装備チェックで、「これではだめですね」と言われ、そうだよな・・・と心の中でつぶやいた。
いつもの防水シームのレインは北海道には持ってきていた。
が、昨晩準備をするときに「明日は予報30℃超。暑くなるだろうな」
「補給食十分に持っていかないとエネルギー切れるな・・・」
「レインどうしよ・・・かさばって明日のおにぎり入るかな」
「フーディニでなんとかなるべ」
そんなふうに思って防水シームのついていないただのフーディニ(いわゆるウィンドシェルってやつ)をザックに詰めた。
事前に大会要項で装備チェックがあることも、レインウェアの防水規定についても読んではいた。
でも、持たなかった。
失格となり収容のバスで帰ってきたときは、会場のにぎやかさや友人とワイワイ話したりすることで、自分の失格もなんとなく笑い話になるかなぁなんて思ってたけど。
その日の夜も50キロしか走ってないとはいえ、さすがに疲れてホテルで朝までぐっすり寝たけど。
翌日から時間が経つにつれて
「せっかく北海道まで来たのに。私なにやってんだろ・・・」
「なんであのときレインを持たなかったんだろ・・・」
日に日にいろんな思いが駆け巡り自問自答の日々が続いた。
今まで軽装備で失格になったランナーに対し、「いくら速くてもそれはトレイルランナーとして失格」と、冷ややかな目で見ていた自分が今、そういう目で見られる側に立っている。
恐ろしいほど恥ずかしく、みじめでかっこ悪い。最悪だ。
トレランを始めて6年になるのに、こんな当たり前のことができないなんて。
トレイルランナーとして、山に入る者として、人として、とても恥ずかしいことをやらかしてしまったという後悔が一日ごとに重く肩にのしかかっていくような日々だった。
なぜこんなことになったのか?
いつものレースならちゃんと防水シームのついたレインを持って走るのに。
これまで、自分で走りたいと決めてエントリーしたレースは(今回ももちろんそうなのだが・・・)自分なりのレースにかける思いや覚悟みたいなものがあって、それに向けた練習もやるし、気合いも入るし、心も体も整った状態でスタートラインに立っていた。
それが今回はどうだろう
夏の北海道、初めての遠征、仲のいい友人との旅行、行ったことのない遠軽町という場所に対する期待や、大雪山への憧れ。
そんなレジャー気分ばかりが先行して肝心のレースに対する準備ができていなかったように思う。
予想以上の移動疲れや、お風呂にゆっくりつかれない、寝苦しくて寝不足、翌朝受け取るはずのおにぎりが用意されていない、などいろんなマイナス要因ばかりが気になって集中できない。スタート前から戦意喪失。
そして、装備チェックがあるのを分かっていながら持たなかったのは、「シームまではチェックしないだろう」という心の隙、ずるさ。そして、大会運営に対する軽視も少なからずあったのも認めざるを得ない。
トレランに限らず普段の仕事や家庭においても同じようなことはあったはずだ。
ちょっとくらいならいいだろう
ばれなきゃ大丈夫
どうせわからないだろう
人としてまだまだ未熟であることを神様が教えてくれたのかもしれない。大好きなトレランを通して。
何事も初心に返ろう。もう一度原点に戻ろう。
心にゆとりを持とう。あせらず丁寧に生きよう。
自分なりにじっくり考えたらこんな答えに行きついた。
私はいつも「成功も失敗も全部自分の経験=財産である」と思っている。
そこから何を学んで成長するかは自分次第。
今回は本当に良い経験になった。
自分を見つめ直す良いきっかけにもなったし、この悔しさや後悔を次のステージで晴らす原動力にしたい。
ようやく重い荷物をおろせたから
またここからスタート。
今度こそは軽いザックで!