千屋遺跡めぐりをして | にいみ(新見市)探検隊初陣!Season6

千屋遺跡めぐりをして

 先日、新見高校などで日本史や世界史を教えておられた山本範先生、千屋市民センターの船越孝則所長、このような会に積極的に参加されている渡辺さん、加えて私たち八尋ゼミの3名、合わせて6名で千屋遺跡めぐりが行われました。山城やたたら等、千屋の歴史についての講義を聞いたり、鍬平山たたら跡、赤坂城址の遺跡探訪をしたりして、千屋の歴史や、山城というものを実際に感じることができました。

 地域の歴史的遺産を掘り起こしたり、地域の活性化に取り組んだりしているのは60代が中心であるという調査があります(中国電力(株)エネルギア総合研究所、2014)※。実際、今回の会に関わっておられる方々も、私たちゼミ生を除けば皆さん50代以上でした。地元に対する関心、身近な地域からの関心、若い世代の関心を高めるために「千屋の里 ぐるりんマップ」を作成したり、HPを作ったりして千屋を発信していきたいと検討されています。山本先生は歴史同好会で千屋の遺跡、歴史を広めていらっしゃいます。それによって、歴史に興味や関心を持った人々と交流を深めたり、国際交流として海外に出向き講演会を行ったりしていると教えていただきました。こういった活動をしていく中で、保存会が発足したり、地域のボランティアで遺跡の環境改善が自然と行われたりしていると分かりました。また山本先生は、「山城というもの自体はどこにでもあるものである。しかし、自分の住む地域にどんな歴史があるのか、どんな遺跡が残っているのかを知ることがなにより重要。そして広めていく中で守っていきたいし、大切にしたいと思うきっかけになっていってほしい」とおっしゃっていました。

 今回のような地域の歴史について掘り下げていく活動が行われているにもかかわらず、一般的にはあまり知られておらず、市民の関心が決して高くないと聞きました。このような会は年間4~5回ほど行っているそうですが、話の中で、備北民報に遺跡探訪があるといった情報を発信してもなかなか気付いてもらえない、参加者が伸びないとも嘆かれていました。地域の歴史を知ること、守ることを大切だと分かっていても、行動までには移せなかったりどうすればいいのか分からなかったりすることも多いと、自分たち自身に置き換えてみても考えられます。実際、私たちは、今回はゼミの活動がきっかけで、この会に参加することができました。このゼミ活動がなければ、千屋に遺跡があることや、その歴史について知らないまま新見を離れていたことと思います。中山間地域の短期大学生が、自分たちの地元では無くても、自分の暮らす場所の歴史・文化、その掘り起し活動が行われていることを知ることで、若者ならではの発信方法でその活動や歴史・文化を広められることや、自身の地元にはどんな歴史・文化があるのだろうと関心をもつきっかけにもなると感じ、大変意義深い勉強会となりました。

 

 

※中国電力(株)(2014)エネルギア総合研究所エネルギア地域経済レポート、山陰地域の歴史文化資源の活用に向けて